2025.04.24
深めるとはいえ、そんな誰かとのつながりの根本、なんなら変化の中心軸にいるのは、どこまでいっても自分自身です。
特に誰かにみずからのセクシャリティを伝えたあとというのは、否応なしに「〇〇な(あたしであれば「ゲイ」な)自分」であることを意識させられるし、それが普段の振る舞いにも小さくない影響を与えてきます。
自分自身がそうした影響に耐えられる状態にあるのかも、「誰かにどう思われるのか」という問題以上に、カミングアウトできるかを判断するための大切なポイントになってきます。
だから、なないろさん。
もしこれからカミングアウトについて考えていくなら、そうした「おのれの準備」というのもあるんだなぁというのを、今はぼやっとでもいいから覚えておいてほしいの。
そして、いざとなったときは「自分、準備できているかな」って、どうか我が身を振り返ってみてください。
幸いなことにこの世の中には、そうした「おのれの準備」も含めたかたちで、カミングアウトにあたっての大切なチェック項目を共有してくれているホームページもあったりします(NPO法人「LGBTの家族と友人をつなぐ会」などは、一読に値します)。
こうしたサポートも適宜取り入れながら、望むならあなたなりのカミングアウトにいつかたどり着いてほしい。
自分自身に目を向けることも忘れずに、あなたなりの美しい開花として、誰かに自分のセクシャリティを伝えるという目標を、結果として叶えてほしいなと思うんです。
「話しました!」ってなないろさんからのお手紙が来る日、あたし楽しみにしてるわね。
でも無理はせずに。
少なくともあなたのカミングアウトをうれしく受け取った人間が、この画面の向こう側にはひとりいるんだよってこと、改めてここに記しておこうかな。
コミュニティの仲間の明るい未来を祈りつつ。
自分自身の経験した「変化」がそこに資するものであることを願わざるにはいられないゲイが、すすきののはじっこできょうも生きているのでした。
というわけで今回はカミングアウトについて、お手紙をもとに考えてみました!
日頃講演会とかでも伝えているんだけれど、カミングアウトについては「しているのが最高!」というわけじゃない。
そうするかしないかを当事者が気楽に決められる環境、それがまず生活のなかで成り立っているべきなのです。
とはいえ、まだ社会はそこに至っていないように思います。
だからこそ、それに向かっていく足がためとして、LGBTQに関する活動は続いていくべきだし、自分も可能な限り、そうした取り組みに関わっていきたい。
パレードの実行委員会からは卒業しましたが、個人的にあたしはそんな風に考えたりしているのでした。
真面目に語っちゃったかな?ではでは今日はこの辺で。
Sitakkeね〜!
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文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部あい
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。
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