「予期せぬ妊娠」で孤立してしまう女性たち。
「自業自得」と片づけられてしまい、その背景にある根本の課題には目をむけられていないことが多いのです。
さらに、精神疾患や生い立ちは、「かわいそう」だけど「甘えている」と言われることも多く、社会の理解はまだまだ進んでいません。
ゆきさんは薬による治療も受けていますが、病状が悪化したときに頼れる人がいないことが心配です。
国は、支援が必要な妊婦に対する支援策を進めていますが、自治体によってばらつきがあるのが現状。
見えにくい“生きづらさ”を抱える人がこぼれ落ちてしまっています。
人吉こころのホスピタル 精神科医の興野康也氏は、「障害があるからといって、罪を犯していい理由にはならない」と前提を話します。
そのうえでこうも指摘します。
「特性を理解せずに責めるだけでは『相談すると怒られる』『自分のせい』と思い込み、SOSを出しにくくなる」
妊娠は女性の身体的、精神的負担が大きいわけですが、これは女性だけの問題ではありません。
事情のある女性がいるということを男性側も理解する必要があるし、男性側の責任も考える必要があるのではないでしょうか。
「孤立妊婦」について、「だらしない」という言葉でくくらないこと。
支援の第一歩は社会全体の理解を進めていくことから始まっていきます。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は取材時(2025年3月14日)の情報に基づきます。
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