妊婦が孤立した末に、赤ちゃんを遺棄する事件が全国で後を絶ちません。
孤立妊婦の支援活動を行う、熊本県の精神科医・興野康也(おきの・やすなり)氏。
この日は、香川県で乳児3人の遺体が見つかり、殺人・死体遺棄に問われた母親の裁判で、弁護側の証人として法廷に立ちました。
どうして彼女たちが事件を起こしたのか。
「残忍」というイメージをつけられてしまう、女性たちの犯行の背景にある「生きづらさ」を見つめるためです。
「精神科的にみると、孤立出産の問題というのは小さいころまでさかのぼるような問題。大人になって単にSOSを出さずに出産したのではなくて、もっと根の深い問題になる」
軽度な発達障害や精神疾患を抱え、“困り感”はあったものの、医療や支援に繋がっていないケースがほとんどだといいます。
「医療・福祉・行政がSOSを出せない人を早く発見して、そういう人の場合踏み込んだ支援をするような体制を作らないといけない」
興野氏はそう話します。
「きょうも頑張ろう…」
そうつぶやくゆきさんも、“生きづらさ”を抱えています。
子どものころからの自傷行為…
継続的な医療につながっておらず、出産後に精神科に再び通い始めました。
「もちろん産んでよかったし、こうやっていま一緒に生活できてるのはうれしいけど、たまに私がなんていうんだろう…私がママじゃないほうがいいんじゃないかと思うときがある」
■「おおきくなったら何になる?」6歳こうちゃんついに卒園…走り続けた子育てを我が子のふとした言葉で立ち止まった日【室谷香菜子のいっくじ日記#13】
パートナーメディア