2025.03.25

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趣味への関心を失ったことで、仲間との関係性が変わることが怖い…【お悩み#82】

それにしても…

にしても。……うん、友達関係だけは、どうにも難しいねぇ。
ゆゆさんには「その趣味、思うがままでいいからね」と言いたい一方で。

趣味をきっかけにつながり、すでに出来上がった周囲との関係性は、そう簡単に無碍(むげ)にできる、なんなら無碍にしたいものではないはずだろうなぁとも察するところがあるのよ。苦しいよね。
実はあたしにも、あなたと似たような経験をしたことがあったりするんです。

ゲイである自分を受け入れられず、研究の進捗も思うようにいかなくなり、大学にいることも含めて何もかもに興味を持てなくなってしまったとき。
それこそあたしは、ずっと研究室で様々な人たちと出会い、親睦を深め、なんなら互いの思索と思考を深め合えるような仲を育んできたはずだったのに。

そんな周囲との関係性を苦々しく感じてしまい、できる限りつながりを断ち切るという方向性で、寂しいくせに一種衝動的に動いてしまった過去があるの。

幸いなことに「研究」という共通項が無くなったとしても、みんななんだかんだでその後も歩み寄ってくれたし、今もお店に遊びに来てくれたりもするんだけれど。
あの頃のあたしは、ゆゆさんと同じように確実に「マイナスの感情のループに陥って」いたと思うし、かなり自暴自棄になってしまっていたような気がするのよね。あれはしんどかった。

だからね。ゆゆさん。
なんだかあなたの話って、人ごとだとは思えないの。昔の自分のことを聞いているようで。
かつての「和希くん」と対峙しているような感覚になるというか、なんというか。
置いてきた過去と、再び向き合っているような気持ちにさせられるのよね。

そんなこんなで、いつものコラムよろしく、今回もまたもや。
投稿者の方のお悩みをきっかけに、おのれのためにも言葉を綴ってみようという気持ちが、ふつふつとあたしのこころの中に湧き出てきたりしているのでした。

わが家のお花コーナーシリーズ。「スノーフレーク」の花言葉のひとつは"汚れなき心"、"純真な心"。

あたしなりのAnswer

さて、ゆゆさん。
あなたにとって耳障りのいいことだけを書くかどうかは、確実にそうするね!だなんて保証できないんだけれど。
自分なりの応援メッセージというか、ゆゆさんの今抱える「淋しさと不安」がちょっとでもこのコラムで晴れるよう、あたし、こっから頑張ってみるわね!

それでなんだけれど。
まずゆゆさんにはあたし、自分や友達を「信じること」を、これから何よりも大切にしてほしいなぁと思ったの。

……唐突すぎて「いきなり何事?」と思われちゃったかもしれないわよね。笑
でも結構これ、本気のアドバイス。

あのね。
誰かとの出会いっていろんなきっかけがあって、「共通の趣味がある」ってその中でも強い結びつきを生んでくれたりするもの。
でもより大事なのは、その出会いの後どんな時間を一緒に歩んだか。

うつろいゆく時間のなかで、それぞれも生活環境や本人自身が変化しているはずなのに、それでも気が合うからこれまで一緒にいた。あなたと過ごしてきた。
それは、趣味に関する盛り上がりを別にしても、ゆゆさんといるのがそもそも楽しく、心地よかったからだと思うんです。

そうやって、あなたのことを友人として、愛しく思ってくれている相手の気持ち。相手からの信頼。ゆゆさんはそれを、今こそ率直に受け止めてみてほしい。
そして、そんなふうに信頼されている自分自身のことを「うん、あたしは大丈夫」と、自分でもしっかり受け止め、信頼してあげてほしいのよ。

他者との距離ができる可能性を感じて抱いてしまう寂しさ(もしかしたらこれって、一種の「分離不安」とも言えるかもしれません)。
その根幹は大抵、セルフラブの不足と結びついています。
ゆゆさんに目下必要なのは、友達の方を見てその距離感を案じることではなさそう。
みずからに目を向けてそのこころをケアしてあげること、そっちな気がするんだよね。

「これまでと同じ関係ではいられないだろうことも現実」と、お手紙の中に書いてくれていたけれど。そんなちょっと悲しくて厳しくも、避けえない現実と向き合うために。

ゆゆさん、あなたはあなたのことを。いや、素敵な仲間を作ってこれたあなたという存在のことを、あなたなりにしっかり愛してあげてください。

そんな、ゆゆさんのなかでの足がためさえできれば。
仲間たちに今の自分の気持ちを正直に話すことも、そう遠くないタイミングでできるようになるんじゃないかしら。
自己開示は、あなたのことだけでなく、周囲のことも救ってくれるはず。
きっとゆゆさんの周りの人たちたちは「変わらず友達」どころか「変わっても友達だよ!これまでもこれからもよろしくね!」と、笑顔であなたに声をかけてくれるのではと、あたしは思います。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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