2025.03.22

暮らす

「振り返るとクマがいた」私が何度もヒグマに遭遇した理由には、対策のヒントがある 『劇場版 クマと民主主義』

なぜ出没場所を予想できたのか

私は「悔しい」と思っていました。ここがクマの通り道ではと予想した理由は、前年の取材にありました。

『劇場版 クマと民主主義』

2018年夏、北海道・島牧村で毎晩のようにクマが現れました。
入社1年目の私が、初めて担当したクマの取材です。

島牧村での出来事は前編の記事でお伝えしていますが、私はこの村での取材で、クマ出没の背景には、人口減少や耕作放棄地の増加など、「人間社会の変化」が関係していることを知りました。
【前編:「殺さないとダメ?」ハンターにぶつけた質問 クマに出会った新人記者が知った現実

『劇場版 クマと民主主義』

札幌市南区簾舞・藤野の住宅地を歩きながら、私はいくつかの空き地があることが気になりました。空き地には、背の高い草が生い茂っていました。
クマが身を隠せる草やぶは、通り道になるリスクがあります。

近隣住民に話を聞くと、「隣は何年か前まで住んでいたが、引っ越してしまってからずっと空き地」「クマが空き地の草の中に隠れていたら絶対に気づけないから怖い」などと話していました。
地域の人口推移を調べても、この数十年で減少していることがわかりました。

島牧村でもクマの食べものになるものが住宅地にありましたが、この地域では、家庭菜園を複数目にしました。それが悪かったというわけではありません。これまで何十年も続けて問題なかったのに、いろいろな社会の変化が重なって、今、対策が必要な時期が来ているのです。

「人口減少」「生い茂る草」「クマの食べものになるもの」…島牧村で知った、クマが出やすい環境の要因を振り返りながら地域を歩いて見つけたのが、先ほどのクマが出てきた場所でした。

出没の原因が、共通していたということです。また同じ課題が繰り返されてしまったのです。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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