2025.03.22

暮らす

「振り返るとクマがいた」私が何度もヒグマに遭遇した理由には、対策のヒントがある 『劇場版 クマと民主主義』

「ここがクマの通り道?」予想した場所にクマが現れた瞬間

札幌・南区(2019年)

2019年夏、札幌市南区の簾舞・藤野の住宅地に毎晩のようにクマが現れ、庭のリンゴやトウモロコシを荒らしました。
被害が続くようになって数日後の日中、私はカメラマンと一緒に現場に向かいました。

クマはなぜ、どうやってたどり着いたのか、ルートを予想しながら地域を歩きました。
住宅地の様子から、私はある仮説を立てます。そして、ここからクマが住宅地に入ったのではないかと思う場所を見つけました。

住宅のすぐ裏ですが、草が生い茂り、先はよく見えません。地図上では、山のほうへとつながる道です。

クマは連日、夜のうちに現れていました。日が暮れるまでまだ時間はありましたが、念のため、早めに車に戻ることにしました。

ドアに手をかけたそのとき、バキバキと大きな音が聞こえました。
振り返ると、先ほどいた場所から、ゆっくりと黒い前足が現れました。すぐに車のドアを閉めます。

『劇場版 クマと民主主義』

数メートル先、揺れる草の中から現れたのは、ヒグマです。道路をわたり、住宅脇の塀をのぼって、1軒を通り過ぎました。
大きな音に気付いた住民が窓から顔を出し、「クマクマ!」と叫びます。

クマはこちらを一瞥しますが、そのまま先の住宅へと向かいました。
その住宅の庭では、リンゴが実っていました。

パトカーや役場職員の到着を待つ間も、クマは住宅の庭でリンゴを食べ続けました。その住宅の中にも、人がいました。

『劇場版 クマと民主主義』

まだ明るい時間帯にもかかわらず、悠々と庭で過ごすクマの姿。出没を繰り返した数日の間に、すでにここまで人に慣れてしまっていたのかと、衝撃を受けました。

夜間や住宅地での発砲は、原則法律で禁じられています。パトカーが到着し、道を譲りましたが、警察ができるのも周辺への注意喚起と警戒です。

すっかり日が暮れても、パトカーのランプは灯り続けていました。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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