2025.03.22
暮らす毎晩のように、クマと顔を合わせました。
山のどこかにいる想像上のクマではなく、今、目の前にある命。「殺されるのはかわいそう」という気持ちは消えません。
しかし一度味を覚えたクマは、追い払っても追い払っても、また戻ってきてしまいました。
次第に、現実も見え始めていました。
同時に、村の人たちともたくさんの時間を過ごし、たくさんの話をしました。
夜はハンターの隣で、山を見つめる時間を過ごしました。
翌朝、疲弊したハンターの表情を見ました。それでも住民に「おつかれさん」と声をかけられると笑顔を返し、「住民が困っているから、なんとかがんばろう」と励まし合う姿を見ました。
日中は村を歩きました。「本当にこわい」「よく眠れない」と、たくさんの不安の声を聞きました。
そんな大変な日々なのに、私のことを気遣って「コーヒー飲んでいきな」と声をかけてくれたり、干している魚を突然「うまいぞ!持って帰れ!」と呼び止めてくれたり、あたたかい人柄を感じる瞬間が多くありました。
私が札幌に戻っている合間には「元気?また来てね」と手紙が届き、村の未婚男性を紹介してくれようとする人までいました。
この人たちに、クマとの事故で傷ついてほしくない。
クマに怯えずに過ごしてほしい。
その思いも、どんどん強くなりました。
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