2025.03.22

暮らす

「殺さないとダメ?」ハンターにぶつけた質問 クマに出会った新人記者が知った現実 『劇場版 クマと民主主義』

毎晩のように顔を合わせた、クマと人

毎晩のように、クマと顔を合わせました。
山のどこかにいる想像上のクマではなく、今、目の前にある命。「殺されるのはかわいそう」という気持ちは消えません。

しかし一度味を覚えたクマは、追い払っても追い払っても、また戻ってきてしまいました。
次第に、現実も見え始めていました。

『劇場版 クマと民主主義』

同時に、村の人たちともたくさんの時間を過ごし、たくさんの話をしました。

夜はハンターの隣で、山を見つめる時間を過ごしました。
翌朝、疲弊したハンターの表情を見ました。それでも住民に「おつかれさん」と声をかけられると笑顔を返し、「住民が困っているから、なんとかがんばろう」と励まし合う姿を見ました。

『劇場版 クマと民主主義』

日中は村を歩きました。「本当にこわい」「よく眠れない」と、たくさんの不安の声を聞きました。
そんな大変な日々なのに、私のことを気遣って「コーヒー飲んでいきな」と声をかけてくれたり、干している魚を突然「うまいぞ!持って帰れ!」と呼び止めてくれたり、あたたかい人柄を感じる瞬間が多くありました。
私が札幌に戻っている合間には「元気?また来てね」と手紙が届き、村の未婚男性を紹介してくれようとする人までいました。

この人たちに、クマとの事故で傷ついてほしくない。
クマに怯えずに過ごしてほしい。

その思いも、どんどん強くなりました。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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