2025.03.22
暮らす私は北海道の放送局・HBCに2018年に入社し、報道記者になりました。
配属2か月目のある日、上司から電話がかかってきました。
「島牧村っていうところにクマが出たから、行ってくれない?」
報道記者、特に新人は、事件事故が起きるとすぐに現場に向かいます。
私は特にクマにくわしかったわけでも関心があったわけでもなく、偶然、現場に行くよう指示されました。
その村で、初めて野生のヒグマに出会ったときの画像です。
クマはこちらを見ています。目が合いました。
野生のヒグマに出会った、そう聞くと、恐怖を感じるかと思います。
しかしこのとき、私は怖くありませんでした。
クマが顔を出したのは住宅のすぐ後ろの草やぶです。前足をかけているフェンスを乗り越えれば、すぐに住宅の庭に降りられる位置です。
クマと庭をはさんでハンター数名が向かい合い、警察が並び、その後ろに私たちメディアがいました。
ハンターがクマをライトで照らします。顔のまわりに白い模様が見えました。
「ああ、あいつだ」
ハンターの声で、数日前から出没を繰り返していたクマだとわかりました。
たくさんの人に見つめられながら、クマは、落ち着いていました。
その目に、人を襲おうとする様子は感じられませんでした。
じっとこちらの様子を見つめています。
「おお降りるぞ!」ハンターが声をあげます。
クマが体を乗り出してきました。
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