2025.03.22
暮らす「クマが出たから、行ってくれない?」
7年前の上司からの電話です。
向かった場所で、初めて野生のヒグマに出会いました。
目が合いました。クマはこちらに体を乗り出してきました。
あの日から、想像もしない出来事がたくさん起こりました。
クマに向き合っていたはずが、その背景にある「人」の課題に気づき、さらにそれが社会全体や政治と結びつき、今や国全体の課題にまで広がっています。
悲しい事故を繰り返さないために、これまで学んだ教訓を、ドキュメンタリー映画『劇場版 クマと民主主義』にまとめました。
映画の主軸は、クマ出没の背景にあった「民主主義」の課題なのですが、今回は映画公開を前に、「クマの駆除」について考えてみたいと思います。
クマの駆除をめぐっては、さまざまな立場からの意見があり、ときには強い言葉がぶつかり合います。
ある1頭のクマが駆除されるまでに立ち会って、私自身が感じたことをお話します。
【この記事の内容】
・映画あらすじ
・初めて野生のヒグマと目が合った瞬間
・「殺さないとダメ?」ハンターにぶつけた質問
・毎晩のように顔を合わせた、クマと人
・クマが駆除された日
・上映日時など映画詳細
全国6都市で開催中の「TBSドキュメンタリー映画祭2025」。
HBC制作の『劇場版 クマと民主主義』は、東京で3月30日、札幌では4月5日・7日・9日の上映です。
クマと人の課題。
その背景に見えてきたのは、人と人の課題だった。
夕食後、外でガラスが割れる音が響いた。窓を覗くと、黒い影が見えた。ヒグマだ。
「家に入ってくるかもしれない…」そんな恐怖の夜が、2か月も続いた。
やっと解決したかに思えたとき、今度は住民が頼ってきたハンターたちの姿が突然消えた。
クマの被害、ハンターの制約、政治の不透明さ。
7年前、北海道の小さな村が直面した課題は、今や全国に広がっている。
村が歩んできた道のりに、クマ対策のヒントがあった。
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