登場人物はそれぞれ、“人生のどん底”と言っても過言ではないほど、つらい経験をします。
決して悪人ではないのに、どうすることもできずに過ちを犯す姿を見ながら、「なんでこんなことになるんだよぉぉ~」と神様を恨みました。
こんなに痛々しい高橋文哉さんも、みじめな気持ちをにじませる西野七瀬さんも、今後、なかなか見られないのではないでしょうか。
そこに“守り神”のごとく現れるのが、多聞です。
どうしようもない状況に立たされたときに、人々が多聞にすがるのですが、「言葉がわかっているのかな?」と思うくらい、弱っているときには優しく寄り添い、迷っているときには真っすぐな視線を向け、背中を押してくれるのです。
私は特に、多聞が西野さん演じる美羽の手をなめるシーンにグッときました。
「大丈夫、大丈夫」と慰めているようで、その優しさが、見ているこちらの心にも沁みました。
私は犬を飼ったことがありません。
それでも多聞の姿がとても頼もしく、愛おしくてたまらなかったです。
言葉なのか、感情なのか、どこかで通じている人間と犬の絆に感動しました。
おそらく犬を飼った経験のある方は、ご自身の経験と重なる部分もあるかもしれませんね。
試写会でも、犬を飼った経験のある方は、帰りのエレベーターでも思い出して泣いていました。
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