2025.03.13
深めるばんばの“カップ”は元競走馬。
レースは一つも勝てませんでしたが、西埜さんの目にとまりました。
力仕事だけではありません。
時にはイベントにも参加します。
沢山のお客さんの前で次々に装飾品がつけられていくカップ。
東北・岩手の伝統神事で行われている「チャグチャグ馬コ(うまっこ)」のモデル馬に抜擢されたんです。
西埜さんの次女みのりさんを乗せて行進!
西埜さんはイベントには家族で一緒に参加して、馬の魅力を広く伝えていきたいと話しています。
この日の現場は、山に入り、木材運びなどする作業。
馬が一番必要とされる大きな仕事です。
傾斜のある山林。
機械を入れると倒れる危険性がありますが、馬は、いとも簡単に木々をすり抜けながら登っていきます。
この日、倒した木が隣の木に引っかかるアクシデントが発生しました。
そんなときにも“カップ”の力がピンチを救います。
丸太は1本200キロから300キロ。
馬の体重の半分くらいまでは、このような条件下でも運ぶことができるそうです。
作業を依頼した三菱マテリアルの川合英之さんは「機械だと森の中に入って、道をつくって木を取ってこないといけないが、馬搬は、ほかの木を切らなくても、森を傷めず木を出せるのが一番のメリット」と話します。
樹木をすべて切ってしまう“皆伐”ではなく、森を維持しながら未来を考える…。
馬が運搬するのでCO2も出さない、エコな作業となります。
西埜さんは馬搬に未来を感じています。
「生き物で大変なところもあると思うけど、やっている人が少ないからこそ、いろいろな人と興味ある人と一緒に(技術を)高められたらと思う」
最初は仕事はゼロだったそうですが、だんだんと仕事も仲間も増えているという馬搬。
見学に来る人がいたり、トレーニングを担当しているスタッフもいて、関心のある人も少なくありません。
実際、「山での仕事」は年間90日ぐらい。
効率化を求めるなら機械化した方がいいのかもしれません。
しかし、馬と一緒に暮らし、その環境を維持していくという西埜さんの日々は、単に効率を求める生活では得ることができない、とても豊かな時間になっています。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年2月10日)の情報に基づきます。
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