2025.03.14

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来世も含めたライフプラン?!キツネの研究者でありグラフィックデザイナー、自分らしい生き方【こう生きたっていい】

質問③自分の生き方、どういうところが気に入っている?

最後の質問は、連載「こう生きたっていい」らしく、「自分の生き方の気に入っているところ」です。

池田さんは、「白黒はっきりつけずに生きるっていうところが結構一貫してるかな」と話します。

「親が転勤族で、3年ぐらいで住む場所を転々と変えるのが普通の生活で育っていて、ふるさとを持たない状態なんです。小学校のときから中学校のときまで同じ先生に見てもらってる友達とかうらやましいなと思った時期もあったんですけど、大人になってみると、新しいところに住むハードルもほぼない状態なのがいいなっていうふうに思ったりとかして」

キツネの研究者とグラフィックデザイナー、2足のわらじをはいているのも、「白黒つけない」生き方です。
「高校生で進路を決めるときに、動物学をやりたい、でも古典文学もやりたかった。本当に迷ったときに、それまでは古典文学にどっぷり浸かっている人生だったから、『わかった、今世では動物やろう!』と…『来世で古典文学やろう』と思った」

急に輪廻転生の話?!と驚くてる子さんに笑いかけながら、「来世でやろうって折り合いをつけたけど、研究室に入って対象の動物を決めるときに、『キツネだったら古典文学にも登場するから、両方味わえる』って思って。学生時代からグラフィックデザイナーも始めたりとか、『どれか一つに決めなくてもいいんだな』『自分の進路では白黒つけなくてもいいんだな』って思った」と話しました。

そして、キツネでも、クマでも、シカでも、野生動物は「白黒つけられない」問題です。
「それぞれの立場の人に、それぞれの正義があるから、誰かの正義を基準に制度を決めるっていうことが絶対できない分野。白黒つけられないけど、とりあえず今の段階ではこれが一番、納得解に近いかなという状態で、ちょっとしたモヤモヤを抱えつつ、対応していかないといけない分野だと思う。そういう意味では『あえて白黒つけない』と心がけるようになりました」

池田さんと学生たちが関わった、町内会でのクマワークショップ

そんな池田さんは、野生動物について、住民や学生が話合い、考える機会も作っています。
池田さんが関わったワークショップも、Sitakkeの連載「クマさん、ここまでよ」でお伝えしています。

▼池田さんが関わったワークショップについての記事
「かわいそうなキタキツネ」を「もっとかわいそう」にするのは誰?…高校生が向き合った、野生動物と人
「クマは人を食べものだと思う?」札幌のあるマチが、専門家と探した“事故を防ぐヒント”

白黒つけられない問題にぶつかったとき、人生の2択に迷ったとき、ときには来世も含めたライフプランで、あえて白黒つけずに進んでみるのも、いいのかもしれません。

多様な生き方連載「こう生きたっていい

文:Sitakke編集部IKU
2025年3~4月上映の劇場版「クマと民主主義」で監督担当。2018年にHBCに入社し、報道部に配属されてからクマの取材を継続。2021年夏からSitakke編集部。

※掲載の内容は「したっけラジオ」放送時(2025年2月23日)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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