2025.04.01
暮らすQ&Aからは、「いろいろな立場の人に配慮して書いた」ことが伝わってきます。
解説文は、データに基づいて具体的に書かれています。
近藤さんは、「気持ちでも想像でもなく、データを出して根拠があることをしっかり説明したいと思いました」と話します。
それは、「クマはすごく人を二分する」からだといいます。
クマの駆除に反対する人も、もっと駆除すべきという人もいて、ときには強い言葉がぶつかり合います。
近藤さんは、「分断をあおりたくない。いろいろな立場の人に理解してもらえるように、いろいろな意見を取り入れるように心がけた」といいます。
たとえば、「もっと駆除すべきではないですか」という意見には、「捕獲も重要な対策のひとつ」とした上で
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クマの出没はクマの数「だけ」ではコントロールできません。出没要因を除去しない限り、いくら捕獲をしてもクマの出没は続きます。
捕獲「だけ」に頼る対策では、限界があります。出没要因の除去(農地への電気柵の設置、誘引物となる廃棄作物や生ゴミの適正処理など)と捕獲、両輪で対策を進める必要があります。一人ひとりがクマを集落に寄せ付けない、通わせないよう、対策に努めましょう。
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と答えています。
「麻酔をかけて山奥に放せないのか」という意見には、
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クマを奥山に放獣しても元の捕獲場所(人の生活圏付近)へ回帰してしまう例が報告されていること、放獣先の地権者や周辺住民の理解を得ることが社会的に困難であること、現在本県の生息状況は安定していると考えられること等に鑑み、秋田県第二種特定鳥獣管理計画(第5次ツキノワグマ)計画期間中は放獣しないこととしています。今後、個体数のモニタリングを行う中で必要に応じ放獣の実施を検討していきます。
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と、根拠を示しながら、県としての考えを説明しています。
ハンターの立場に配慮した回答もありました。
「ハンターが金儲けのためにクマを大量に駆除しているのではないですか」という質問に対しては、
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いわゆる「駆除」は、被害防止などの然るべき理由を元に、有害鳥獣捕獲として捕獲許可手続きを経て、市町村が実施しています。ハンター個々人の判断や希望で利益を得るために捕獲しているのではありません。
地域のくらしを守るため必要な捕獲です。ハンターの方々に対し、いわれのない批判はお控えください。
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とはっきりと強調しています。
近藤さんは、「誤解がないように丁寧に説明しようと思うと長くなりますが、あまり長いと読む気がなくなってしまうと思って、わかりやすさとちゃんとした説明を両立することに難しさを感じながら書きました」と話していました。
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