2025.04.03

暮らす

「ツキノワグマとヒグマのハイブリッド個体がいる?」「温暖化で冬眠しない?」クマのウワサQ&A5選【秋田県に学ぶ②】

③クマが人の生活圏に出てくるのはクマが増えすぎたからではないのですか

ヒグマ(2019年・札幌市)

出没の多寡はクマの数「だけ」で決まるものではありません。クマの「数」のほか、「居る場所(分布)」や「山の中の食物量」などのバランスによると考えられます。

たとえば、2023年の秋はクマの大量出没が発生しましたが、2022年は出没が非常に少ない秋でした。クマはたった1年で急激に増える動物ではありません。2022年と2023年の大きな違いは、クマの数ではなく山の中の食物量だったと考えられます。

一方、山の実りがそろって不作になった年は過去にもあったはずですが、これまで無かった規模の大量出没が2023年に起きたのは、過去と現在のクマの数と分布の違いだったのではないかと考えられます。人とクマの生活空間が近接・重複した状況下で、人の生活圏にある食物にアクセスしやすい状況と山の実りの不作が重なったため、2023年の大量出没が発生したと推測されます。

④ドングリなどのクマが食べるものを山にたくさん置いてあげれば良いのではないですか

野生動物に対し、給餌などの人為的介入を行うことは基本的に望ましくありません。

クマに限らず、本来食物が不足することで生息数が抑えられていたはずの鳥獣が、給餌によって増えすぎてしまう懸念があります。加えて、本来そこになかったはずのドングリ(種子)やそれについている虫が他所から持ち込まれることで地域の生態系のバランスが崩れる可能性もあります。

野生動物は自然の中でたくましく生きています。野生動物は野生のままに。

なお、秋田県ではナラ枯れ対策や針広混交林化事業を行っており、自然の植生回復や生物多様性の確保等を図っています。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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