2021.09.30

暮らす

「風速」が危険なのは何メートルから?警戒すべきポイントは?

「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。

季節変わりや台風による強い風に要注意!

今回は、「風の強さ」に注目します。

これからの時期、夏の熱い空気から冷たい秋の空気への激しい入れ替わりや、日本列島を加速しながら駆け抜ける台風も多くなるため、暴風や突風に気をつけなくてはいけません。

天気予報やニュースで風の強さについて伝えるとき、“風速何メートルの風”と表現しますが、
果たしてどんな風なのかなかなかイメージしにくいと思います。そのため、お天気キャスターは、“その風速で何が起きるのか”を気象庁の階級表を参考にし、できるだけ具体例を示しながらお伝えするよう心掛けています。

どのくらいの風速で、どんなことが起きるのか?

「風速〇メートル」・・・実はコレ、大事な条件が省略されています。正確に表記すると、風速毎秒〇メートル、風速〇メートル/秒となります。

つまり、その場の空気が、1秒間で動く距離を示しています。空気は見えませんが、目の前にある物体が1秒間という一瞬で何メートル先にまで動くのかを想像すると、その風の速さ・強さ加減が見えてきます。

また、風には「息」があります。つまり、常に一定ではなく、強まったり弱まったりと変動します。
そのため、一般的に風速というと、10分間の平均をとった平均風速のことを示します。
それに対し、3秒間の平均風速のことを、瞬間風速としています。

「風速」が危険なのは何メートルから?

風速10メートルを超えると、傘が差しにくくなりますが、注意が必要になってくる目安は、風速15メートルです。

風速15メートルを超えると>・・・風に向かって歩けなくなったり、転んでしまったりする人も出てきます。しっかり固定されていない看板やトタンが外れることもあります。また、高速道路の運転中には、横風に流される感覚が強くなります。

風速20メートルを超えると>・・・警戒レベルです。何かにつかまっていないと立っていられないくらいになり、車の運転も困難になってしまいます。

なお、風の「息」の影響で、瞬間的には、平均風速の1.5倍から3倍以上の風が吹くこともあります。急な突風の吹くおそれがあるということになります。

嵐の前には、家の周りの飛ばされやすい物は早目に片づけるよう意識したいですね。

<参考>過去に全道と札幌で観測された強い風の記録は、以下のとおりです。

■北海道で観測された最大風速(一番強い平均風速)
寿都町 49.8m/秒  南南東 1952年4月15日

■北海道で観測された最大瞬間風速(一番強い瞬間風速)
室蘭 55.0m/秒  南 1954年9月26日(洞爺丸台風)

■札幌で観測された最大風速(一番強い平均風速)
28.8m/秒 北北西 1912年3月19日

■札幌で観測された最大瞬間風速(一番強い瞬間風速)
50.2m/秒 南西  2004年9月8日(平成16年台風18号)

参考資料:気象庁WEBサイト「雨と風の階級表」
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/amekaze/amekaze_index.html

***

協力 HBCウェザーセンター

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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