2025.02.11

食べる

たどり着くのは、うまい魚と小鉢がご馳走の料理屋。【函館】

そんな辺境で2023年7月に独立開業をしたのが店主の堀川絵巨さん。店をかまえるまでは、函館朝市内の魚屋直営の食堂で11年働いた。当然ながら魚の目利きである。しかも19歳のときには本町の名店『鮨竹亭』にバイトとして入り、すでにこの時点で魚の仕入れや捌き方の基礎を学んでいるため、仕事として魚と接してきたキャリアでいえばベテランの域である。

店主の堀川絵巨さん。陽気で気さくな性格で女性ひとりでも気軽に来られる雰囲気。

噂の刺身定食は、6〜8品の日替わりの刺身盛合せに加え、堀川さんが“気分”でつくる小鉢(小皿)が4品。毎日、自由市場と中島廉売に足を運んで選ぶ魚の鮮度・味は申し分ないが、小鉢のクオリティにも舌をまく。

刺身盛合せ(1,500円)に、+400円で小鉢4品・ご飯・汁物がついた定食に。ちなみにこの日の小鉢は白菜のごま油和え、里芋とイカの煮付け、赤大根と紫大根と刻み人参のゆず風味、バター風味を効かせたかぼちゃサラダ・卵焼き・ぬか漬けの小皿。

刺身盛合せはマグロ、サーモン、エビのほか、サバなどの青モノ、白身魚、季節によりホッキやカニが入り、少なくても6種・多くて8種の魚が入る。

店主は「なんもその日のノリでつくってるだけさ」と函館訛りで照れながら多くを語らないが、客の中にはいつも料理が違う小鉢を楽しみに遠路はるばるやってくる者も多いという。

堀川さんの母は、大門の浅草通りで商売を始め、現在は高松町に移転した『お食事処けいりん』のママ。「うちのご飯とかおかずの盛りの良さは、完全に母譲りですね(母)」

刺身だけでなく、単品の焼魚や生ラム焼や牛バラ焼肉などの単品の肉料理、赤ウインナーや明太だし巻き玉子などの一品料理もあるので、ご飯と味噌汁を組み合わせてお好みの定食にすることもできる。もちろんハンドルキーパーさえいれば、居酒屋使いも可能だ(営業時間は12時〜22時)。海の気配のない、どちらかといえば山の中で味わう旨い魚は、街の真ん中では出会えない正真正銘のご馳走だった。

peeps hakodate

函館の新しい「好き」が見つかるローカルマガジン。 いまだ開港都市としての名残を色濃く漂わせる函館という街の文化を題材に、その背後にいる人々を主人公に据えた月刊のローカルマガジン。 毎号「読み物であること」にこだわり、読み手の本棚にずっと残り続ける本を目指して編集・制作しています。(無料雑誌・月刊/毎月10日発行)

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