2024.12.29

育む

日本一になった動物園で“その辺にいる”キタキツネを飼育するワケ…「伝えるのは、命」もっと深く楽しめるポイントを獣医師ママライターが解説|【北海道・旭山動物園の楽しみ方/後編】

「なる」の事例が教えてくれること

段ボールに入れて捨てられていたということは、旭山動物園に連れてきてくれた人の前にも誰かが拾って再び捨てたということ。

もしかしたらその人も、子犬だと思って拾ったけど何か違うと感じて捨てて(自然に返して?)しまったのかもしれません。

実は子ギツネの見た目は子犬にそっくりで、捨て犬だと思って拾ってしまう人も多いそうです。
(キツネはイヌ科に属しているので、見た目が似ているんですよ)

★子犬に見えちゃう子ギツネはこんな感じ!
「は~い、眼の検査中です!」かわいすぎるよ、子ギツネちゃん!

皆さんもご存じのように、北海道では札幌の街中であってもキツネが道路を横断する姿が珍しくありません。

威嚇するキツネ!札幌都心部の住宅街にも出没…駆除は難しい?専門家に聞く対策のイマ

春はキタキツネにとって子育てのシーズンであり、母親はより多くのエサを求めて活動的になります。

その結果、道路を横断する際に「ロードキル」に遭ってしまったり、どこかで駆除されてしまったりして、愛する子どもたちのもとへ戻れないケースがあるのです。

そうすると、残された子どもたちはどうなるのか…。

母親を待ちながら巣穴の中で餓死してしまうか、天敵に襲われるか…。
もしくは今回のエピソードのように、どこかに出てきたところを人間に拾われることがあるのだそうです。

もしかしたらなるくんのお母さんも、巣穴に戻れない事情があったのかもしれませんね。

ただ見るだけでは、「なんだ、どこにでもいるキタキツネか」となるかもしれませんが、このような事例があることを、今生きている命を守りながらしっかりと伝えていく。

それも旭山動物園が担う使命のひとつです。

キタキツネのなるくんは、東門に近い「北海道小動物コーナー」にいます!
旭山動物園にお越しの際は、ぜひなるくんに会いに行ってみてくださいね。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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