こんにちは、学生ライターの伊山と申します。リモート授業も増え、おうちで過ごすことが増えた今日この頃。
先日、部屋の窓からぼ~っと外を眺めていてふと気づいたことがあります。
それは…夕焼け空の美しさです!
時間帯や日によって表情を変える、夕焼け。その色合いにすっかり魅了された私は、「きれいな夕焼けを写真に納めたい!」と思うようになり、こんな疑問を持つようになりました。
夕焼けが一番きれいに見えるタイミングって、いつ!?
「空」のことは、空に詳しい人に聞いてみよう!ということで、「空」のプロであるHBCの気象予報士・近藤肇さんにお話を聞いてみることにしました。
伊山:近藤さんは、プライベートでも「夕焼け」をスマホで撮影するのが趣味というウワサを聞きました(笑)
これまでに撮影した「1番きれいな夕焼け」ってどんな夕焼けですか?
近藤予報士:「1番きれい」というものは主観的なものになってしまうので、ひとつに絞るのはなかなか難しいですが、個人的にはこの夕焼けが気に入っています!
伊山:このオレンジと青の絶妙な色と、雲がウワ~ッと広がった感じ…すっごくきれいですね!
近藤予報士:ぼくは、夕焼けには「あっさり系」と「こってり系」との2種類があると思っています。ちなみに、こちらの写真は「こってり系」の夕焼けの写真ですね。
伊山:「あっさり系」と「こってり系」…?なんだかラーメンみたいですね(笑)。それぞれどのような特徴があるんでしょうか?
近藤予報士:こちらの2枚の写真を見てください!
近藤予報士:1枚目と2枚目の写真を比較してみると、1枚目の夕焼けは、雲が少なく、夕焼けの色が地平線からグラデーション状に色づいていますよね。ぼくはこれを「あっさり系」と呼んでいます。
それと比べて見ると、2枚目の写真は、「こってり系」って感じがしませんか?
「こってり系」の夕焼けは雲が多いのが特徴です。雲がスクリーンのような役割を果たすことで、太陽の光を受け止め、空全体を絶妙な色合い染め上げています。とってもきれいでしょう!?
こってり系の夕焼けの中でも、この写真のように、雲が低いところにあるときの夕焼けが特に好きですね。(ちなみにぼくは「ラーメン」もこってり系が好きです!)
伊山:「こってり系」のきれいな夕焼けはどんな時に見ることができますか?
近藤予報士:こってりした夕焼けは「雲」の位置がとっても重要です!自分がいる場所の上空に雲があって、西の空に雲がないときに見ることができます。今日は湿度が高いなーと思った夕方はチャンスです。
気象庁がオンライン上で、無料提供している”気象衛星ひまわり” の情報を活用すると、事前にどんな夕焼けが見られそうかを予測することができるのでオススメです。
たとえば、「こってり系」の夕焼けを見ることが出来る条件を、例としてご紹介します。
こちらのサイト(気象庁>防災情報>気象衛星ひまわり>赤外画像>トゥルーカラー再現画像)にアクセスすると、図Aのように”気象衛星ひまわり”からの30分ごとの気象観測情報をチェックすることができます。
▽図A
図Aは、冒頭で紹介した「お気に入りの夕焼けショット("こってり系”夕焼け)」を撮影した2021年5月19日時点の観測画像です。これから紹介する2つの条件に注目すると、「こってり系夕焼け」が見られる日を予想することができます。
「こってり系夕焼け」を見るための、1つ目のポイントは、自分が今いるエリアの真上に雲がかかっていることです。(例:札幌在住者の場合、図Aのポイント①の円の付近に雲がかかっているかをチェック)雲があることで太陽の光を“スクリーン”のように映し出し、「こってり」した夕焼けを見ることができます。
2つ目の条件は、住んでいる地域からみて西に当たる部分に雲が多くかかっていないことです。
(例:札幌在住者の場合、図Aのポイント②の白い丸の付近をチェック)この部分に雲が位置していると、自分がいる地域まで太陽の光が届かず、そもそも夕焼けを見ることができません。
気象庁のサイトは、誰もが無料で、簡単に情報を確認することができるので、ぜひ活用してみてください!
伊山:近藤さんのように「夕焼け」を上手に撮影するコツについて教えてほしいです。
近藤予報士:スマホで撮影するときはスマホ画面の中で一番、”明るい部分”をタップします。明るさが調整されて、夕焼けを上手に撮ることができます。
また、夕焼けの撮影タイミングは、太陽が沈んでから20分くらいまでがチャンスです。今日は、出ないだろうと思っている曇りの日に限って、予想外に綺麗な夕焼けを見ることができます。スマホ片手に諦めずに粘ってみるのもよいかもしれません!
伊山:近藤さん、ありがとうございました!
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伊山:近藤さんのアドバイスをもとに”こってり夕焼け”の撮影にトライしてみました!この日はわたしのいる地域の上に雲があって、西の空が少しひらけており、チャンスだと思い写真を撮ってみました。
もちろん、撮影時には近藤さんのアドバイスに習って明るい部分をタップ。すると…。
なかなかいい感じの”こってり夕焼け”を撮影することができたのではないでしょうか?自分としては、大満足の1枚です。
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見慣れているはずの自分の部屋から眺める夕焼け。“気象”の知識を活用することで、様々な表情の夕焼けを楽しむことができます。遠出がなかなか難しくなった今だからこそ、みなさんも、おうちから秋の夜空を見上げてみませんか。
文・もんすけラボ学生メンバー:伊山(北海学園大学3年)