2024.12.11

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北の大地の恵みと人々の情熱が生んだ、道産ワインの「可能性」とは(池田町・岩見沢市・仁木町)

【2】池田町発「十勝ワイン」~半世紀を超える挑戦、100年目を目指して

池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(いけだワイン城)

多様な農業が盛んな、十勝平野の真ん中に位置する、池田町。
まちのシンボル「いけだワイン城」を中心に、半世紀以上にわたりワイン造りを続けているのが「十勝ワイン」です。「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」所長の南邦治さんにお話を伺いました。

北海道に現存する“最古のワイナリー”が続ける挑戦

「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」所長・南邦治さん

品種改良と土地への適応を続け、北海道の厳しい自然と共に歩んできた「十勝ワイン」。南邦治さんは、ワイン造りへの思いを次のように語ります。

南邦治さん
「私たちのワイナリーは自治体経営であり、北海道に現存する最古のワイナリーです。本来、この土地はブドウの適地ではないのですが、ブドウを品種改良することによって、ワイン造りを続けています。夏は高温で雨も少なく、秋には夜温が下がります。十分に糖を蓄えて、酸も残したまま熟成が進みます。北国を代表するワインになるのではないかと自負しています」

池田町は、夏に最高気温が30度を越す真夏日がある一方で、冬には最低気温がマイナス20度になることもあり、寒暖差の激しい気候です。「十勝ワイン」は、耐寒性を備えた、ヤマブドウのオリジナル品種の開発に力を入れています。

十勝ワインを代表するオリジナル品種「山幸(やまさち)」

主力の品種は「山幸(やまさち)」です。「山幸」は、池田町独自のブドウとして2020年に国際ブドウ・ワイン機構(OIV)に品種登録されました。

南邦治さん
「当初から品種改良に力を入れてきました。現在では約2万1,000種を改良していて、その中から品種登録されたものは4つです。そのひとつ、『山幸』は池田町に自生するヤマブドウを人工交配させることによって、マイナス35度の寒さにも耐えられる特性を持ちました」

池田町独自のブドウ「山幸」を使ったワイン「山幸(YAMASACHI)」

十勝ワインが最も力を入れている品種「山幸」。国際ブドウ・ワイン機構に日本のオリジナル品種が登録されるのは国内で3例目、北海道の独自品種としては初の快挙となりました。

「山幸」のワインは、「十勝ワイン」らしい酸味と力強い味わいが特徴で、お肉料理との相性が抜群です。

半世紀を超える挑戦、100年を目指して

「十勝ワイン」は半世紀を超える歴史の中で、進化を続けてきました。
品種改良やワイン造りだけでなく、地域と共に歩む姿勢も特徴のひとつです。南さんは未来への展望について、次のように述べます。

南邦治さん
「ワイン造りは、100年を目指さなければならないと思っています。まだまだ折り返し地点です。これからもこの土地の風土に最適なブドウを育てていきたい。同時に、池田町のアイコン的な存在であり続けたいと思っています」

毎年ワインを楽しむイベントが行われ、大勢の観光客でにぎわう「十勝ワイン」。その魅力は、これからも北海道・池田町から発信され続けていくことでしょう。

「十勝ワイン」基本情報

名称:池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(ワイン城)
住所:北海道中川郡池田町字清見83-4
電話:015-572-246

「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」をcheck

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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