近年、ワインの産地として国内外から熱い注目を集める、北海道。
北の大地の恵みと造り手たちの情熱が紡ぎ出す、道産ワインは、新たな可能性に満ちています。
道内3つのエリアで次代のワイン造りに情熱を注ぐ、人々の物語をお届けします。
美しい田園風景が広がるまち、岩見沢。
夏は鮮やかな緑が広がり、冬は一面の雪で覆われます。
この地で、北海道ならではのワインを生み出しているのが「宝水ワイナリー」です。
「宝水ワイナリー」の久保寺祐己さんに、その思いを伺いました。
日本有数の豪雪地帯である土地でのワイン造り。
久保寺祐己さんは、この雪こそがこの地域のアイデンティティだと語ります。
久保寺祐己さん
「岩見沢は北海道の中でもとりわけ雪が多い地域です。ここまで積雪量の多い地域でワイン用のブドウを栽培し、ワインを醸造している地域は、世界的にもまれだと思います。ワインに残るきれいな酸味と、冷涼感のある飲み口は、この冷涼な気候と豪雪地帯が生み出す特徴と言えるでしょう」
2002年、岩見沢の地域おこしから始まった「宝水ワイナリー」。9ヘクタールの広大な畑にシャルドネやピノ・ノワール、ケルナーなど、ヨーロッパ系の品種を中心に約10種類のブドウを栽培しています。
久保寺さんが掲げる目標は、“雪”を感じさせるワイン造り。その象徴ともいえるのが、ワイナリーで栽培されたブドウのみを使った、オリジナルブランド「RICCA」 (リッカ)です。
久保寺祐己さん
「われわれにとって、雪とワイン造り、雪と生活というのは、切っても切り離せないものです。ワインを飲んだ時に、雪のイメージを連想できるようなブドウ栽培をベースとして目指しています。今の看板商品は『RICCA』のシャルドネ、白ワインです。やさしく冷涼感のある口当たりと酸味で、北国を思わせるような上品で繊細な香りが特徴です。ブドウの凝縮感をしっかりと感じ取ることのできる白ワインです」
「宝水ワイナリー」では、自社産ブドウを使用したソフトクリームも販売しており、家族連れや若い世代にも楽しんでもらえる場を提供しています。
久保寺祐己さん
「外国人観光客の方にも、ワイナリーに足を運んでいただくことが多くなりました。北海道らしい、ダイナミックな畑の風景を求めて足を運んでくる方が多いと感じるとともに、北海道産ワインへの注目度の高さを感じます。岩見沢の冬の風景や風土を感じて頂けるような、ワインの味わいをこれからも追求していきます」
名称:宝水ワイナリー
住所:北海道岩見沢市宝水町364-3
電話番号:0126-20-1810