2024.12.11

出かける

築90年。一度失ったら二度と会えないこの場所で。―『唐草館』と緑の洋館の話。【函館】

現在の『唐草館』。昨年、大規模な塗り替えと補修を行い、建物はふたたび若返った。和洋折衷様式の建物が多い西部地区において、ここは極めて珍しい1・2階とも洋風下見板張りの「純洋館」だ。

レストラン『唐草館』は24年間で、開業時を含めて3度の全面塗装・補修を行い、昨年は建物を取り囲む白い木製の柵も限界を迎え、新しくつくりかえた。これはあくまで一例に過ぎず、目立たない箇所の補修を含めれば、いままで何度直してきたかわからないだろう。

現在の『唐草館』店内。柱、アーチ、カウンター、床板、腰板などは喫茶店時代のまま。それらは一切の古さを感じさせないほど磨き上げられ、品格を保っている。

「ここはまた一からつくろうと思っても、絶対につくれない場所。壊すのは簡単です。でもその一方で維持するのは大変。それでも一度失ったら、もう二度とこの場所には会えない。それがわかってるから大事にしていかなきゃと思います」(文緒さん)。

【RESTAURANT 唐草館】

北海道函館市青柳町21-13
0138-24-5585

***
『peeps hakodate』vol,130「函館たてもの通信」より

peeps hakodate

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