2024.11.04

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「誰が見ても楽しめる作品」をつくりたい。札幌で20年以上活動し続ける劇団、“弦巻楽団”の想いとは

堰八アナ:本当にたくさんの賞を受賞されています。

弦巻さん:理想は、どのジャンルでも一番すごいって言われること。でも必ず大切にしているのは「誰が見ても楽しめる作品」それに尽きます。

堰八アナ:だからこそ、初めての演劇にもオススメという声も多いみたいですね。

弦巻さん:言われることは多いですね。けど…なんて言うんでしょう、多分皆さんがイメージしてる演劇とはちょっと違うと自覚しています。現実を模倣した舞台やセットがあって、その中でてんやわんやが起きたり、ギスギスしたドラマが起きたりとかを想像して来ると、「あれ…ちょっと雰囲気が違うぞ」みたいな。でも、そこが弦巻楽団の魅力だと思います。

札幌で、札幌でしかできない演劇をつくりたい。

堰八アナ: 弦巻さんは札幌ご出身ということですが、東京への進出は考えないんですか?

弦巻さん: 考えないですね。若い時の考えが今もずーっとあるんですけれど、自分一人だけで東京には行きたくなかった。僕は高校を出てからみんなで劇団を立ち上げていたので、行くときはみんなで行こうってずっと思ってたんです。人気が出て、劇団の公演先のひとつとして、東京に呼ばれるようになればいいやって。それに、僕は札幌で、札幌でしかできない、ローカル性を含んだ演劇を作りたいんですよね。

堰八アナ:札幌のローカル性って何だと思いますか?

弦巻さん: 言葉で説明するのが難しいんですけれど、人間性です。北海道人らしさ、札幌人らしさです。あからさまな北海道弁を喋るとか、「ゴミ投げて」みたいな北海道弁のセリフが入るというつくり方じゃなくて、生き方とか登場人物同士の関係にローカル性が現れるような作品づくりをしていきたいと思っています。

堰八アナ:弦巻楽団は今や全国や韓国でも活動をされています

弦巻さん:ありがたいことに。今後はローカル性を生かしつつも、全国的に流通する作品を作ることが目標ですね。「流通する」って表現にしたのは、作品を上演して面白いって言ってもらえるだけじゃなく、全国の劇団に「私たちもやってみたい」って思わせたいんです。

堰八アナ:演技指導や脚本、戯曲講座など後身の育成にも力を注いでいますよね

弦巻さん:札幌で広めていきたいのは翻訳劇です。弦巻楽団では演技講座を開きながら、その成果発表という形で年1回ほどシェイクスピアを上演してきました。札幌でこういう伝統的な翻訳劇の面白さに毎年トライしてるのってウチだけだと思っています。その魅力が分かるからこそ、もっともっと広げていきたいんです。今よりもハイペースで。

堰八アナ:ハイペースで、ですか

弦巻さん:現在の年1回のペースで続けると、彼の残した約40作を全てをやり終える頃には、僕はもう80歳近くなっているんですよね。せっかくやるなら全部やり終えたい。だから、これからはハイペースでやれるようにメンバーを育てていかなきゃいけません。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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