2024.10.30

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ひとりの夜の”あなた”と”あたし”を繋ぐ…「ラジオ」の魔力について語らせてッ!【お悩みコラム番外編#72】

若かりしあたしとラジオ

ラジオという媒体は「耳でゆるっと楽しめる」という親しみやすさもあいまって、きっとたくさんの人にいろいろな思い出を提供してきたんじゃないかと思います。

いつから聴くようになったかなんて話題は、割とみんなで盛り上がることのできるテーマのひとつ。読者の皆さんにも、電波とともによみがえる風景がきっとあったりするんじゃないかしら。

あたしが最初にラジオを愛でるようになったのは、確か中学生の頃。
家の物置に眠っていた据え置き型のラジカセ。ほこりまみれなそれを親の許可も取らないままに引っ張り出してきて、個人の寝室でひそかに使うようになったのがすべてのはじまりでした。

画像はイメージ(PIXTA)

経年劣化がすでに進んでおり、カセットデッキとしてはほぼ使えないに等しかったため、用途はもっぱらラジオの聴取。
アナログチューニング式だったため手動でダイヤルを回しながら、お気に入りの番組に切り替えるべく、日々周波数の調整に苦労していたのをよく覚えています。

あたしの場合、自分の部屋でまったり過ごす夜のひとときが、ラジオと向き合う時間。
音楽を中心に構成された番組をチョイスするときもあれば、ワイワイとしたトーク中心のコンテンツでバカ笑いしたり。
ラジオドラマやラジオ寄席(懐かしい!)を楽しんだりと、さまざまな時間が思い出されるのよね。そんな頃あったなぁ。

ハガキ職人こそやらなかったけれど。あの頃のあたしは無邪気に、音声に身も心も委ねながら、電波越しに繰り広げられるバラエティ豊かでクリエイティブな世界を、純粋に楽しんでいたように思います。

そうそう、当時ラジオを聴くのも楽しんではいたんだけれど。
あたしったら、ラジオで「話す」ってのも、実は勝手に楽しんだりしてたんだよね。

これ、とある本の影響なの。

昭和から長らく児童文学の傑作として評価され続けており、近年では宮崎駿監督によって発展的な映画化をされたことでも話題となった書籍、吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』(1937年初版)。
この本では、主人公であるコペル君の仲間たちとの日常が、一種哲学的な話題と紐づけられながら語られていくのですが、そのなかでもあたしのお気に入りが、なんちゃってラジオにみんなが興じるシーン。

野球の解説者を真似ながらきゃっきゃする同世代の少年たちの姿に、不思議な憧れを抱いていたあたし。その影響をもろに受けたらしく、定期的にひとりでMC遊びに興じるように。笑

大人になってからもその癖は抜けず、なんなら実践めいたことも。
無茶苦茶恥ずかしい話なんだけれど、昔好きだった人との電話中、向こうからのリクエストに答えて受話器越しに曲を流す「ラジオDJごっこ」なんかでキャッキャするのも、しばしばあったのよね(これ、書いてて顔赤くなってきちゃったわ……苦笑)。

ラジオを聴くのも、ラジオっぽく話すのも。
なんだか昔から、しっかりと、その魔力に取り憑かれていたあたし
まさかそれがいつかお仕事になるだなんて、当時思いもしていなかったのでした。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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