実際に体験をしてみましょう!当日は持ち物不要です。
通常は5人での体験となりますが今回は特別1人で体験させていただきました。体験するのは 篆刻(てんこく)(落款製作) です。
書体は篆刻で使われる3000年ほど前の中国で作られたと言われる「篆書」で製作します。篆刻では筆で文字を書き、印材にも筆で文字を書き入れるのが一般的ですが、こちらの製作体験ではどなたでも簡単にできるようサインペンを使用し、トレーシングペーパーとカーボン紙を使って石に字を転写するようにしているとのことです。
自分の名前を彫る方が多いようです。しかし私たちは「小樽通という文字を彫りたい」と松田さんに伝えました。「樽が難しい」という忠告をいただきましたがチャレンジすることにしました。
まずは四角いマスの中に普段使っている字体で文字を書いていきます。
マスの中に楷書体で文字を書きます。
次は実際に彫る書体「篆書体」を書くため辞書で調べていきます。 字画が多い文字と少ない文字のバランスなども考えながら四角いマスに篆書体を鉛筆で書いていきます。
「樽」の文字は線がたくさんあるので「小」の文字を小さくして「樽」を縦長にしました。その後サインペンでなぞり線を太くしていきます。
四角いマスに篆書体を書き終えたら文字を反転させるためにトレーシングペーパーに写します。ここではトレーシングペーパーをしっかり押さえてなぞるのがコツです。
いよいよ石を使った作業に入っていきます。使用する石は、ろう石という柔らかい石です。まず印面を平らにしてきます。左手でサンドペーパーをおさえて右手で印鑑を持ち丸く輪を描いてこすり、平らにしていきます。
松田さんのお手本を参考にくるくるっと削っていきます。
次は石に文字を書いていきます。カーボン紙の上に文字が逆字になるようにトレーシングぺーパーをのせてテープで固定します。小さい石の上に文字を書いていきますので書くのに苦労しました。また写し忘れにも注意が必要です。
文字をなぞって石に書いています。
文字を写し終わったら、いよいよ彫りです。印刀(いんとう)という道具を使用します。ペンを持つように印刀を持って尖った角で輪郭を掘り進めます。松田さんが彫っている様子を見ると難しくなさそうです。
実際に彫ってみると、それほど力を入れなくても彫ることができます。木を彫るような感覚です。今回の文字は画数が多いため、ゆっくりと丁寧に彫っていきました。歯ブラシでくずを取り除きながら進めていきます。
1時間弱の作業で彫り終了です。集中していたので、あっという間に時間が経っていました。ここで画数が多くてうまく削れなかったところを松田さんに修正していただきました。 最後にさびを出すためハンコの角を削ります。そうすることで輪郭が丸くなり、いい味になります。
いよいよインクにつけて押してみます。
きちんと読めました「小樽通」完成です。
今の時代「脱ハンコ」などと言われることも多いですが、
松田印判店さんはハンコ文化を広めたいという思いで製作体験を行っています。「未来を担う生徒さんに体験してもらいたい。日本の文化として残していきたい」とお話してくださいました。
体験したい方は直接、小樽職人の会のホームページにお申込みください。
「落款彫刻」以外にも色々な製作体験があります。一つとして同じものがない「自分だけのもの」をつくってみませんか?
制作体験のお申込み
小樽職人の会
TEL:0134-33-2339
最小催行人数5名から。200名以上の場合はお問い合わせください。
制作体験費(90分)お一人様1種目につき2300円(税込)
お問い合わせ
小樽市稲穂3丁目16番16号(松田印判店内)
TEL:0134-33-2339 FAX:0134-64-1003
内容は掲載時点(2024年9月)の情報に基づきます。