2024.10.15
深める翌日、きみちゃんはちかさんが立ち会う中で、羅希ちゃんを死産しました。羅希ちゃんの産声は、誰も聞くことができませんでした。
出産してすぐ、きみちゃんは、ちかさんとわたしとのグループメッセージで、羅希ちゃんを抱っこする2人の写真を8枚共有してくれました。白い産着を身につけ、ピンクの毛布に包まれた羅希ちゃんは、どの写真でも同じ顔をしていたけれど、すやすやと寝息が聞こえてきそうな安らかな表情でした。
担当の医師によると、「原因は不明」だといいます。「死産は1パーセントほどの確率で起こり、決して珍しいことではない」「原因がわからないことも多い」と話していました。
2人の心情を察して、わたしは連絡を控えていました。しかし2日後、ちかさんが連絡をくれました。「こんにちは。もし嫌ではなかったら羅希の顔を見に家に来ますか」
思いがけないメッセージに、胸が詰まりました。悲しみの中でわたしに連絡をくれたこと、大切な2人の赤ちゃんに会わせてくれること。本当に頭が下がる思いでした。
12月31日、大みそか。JRに乗って2人の家に行きました。玄関のベルを鳴らすと、2人は思いのほか優しい笑顔で迎え入れてくれました。