2024.10.12
深める「朝起きられない」と聞くと怠けていると感じるかもしれません。
実は小学生で約5%、中学生で約10%が発症している『起立性調節障害』という病気があります。
そうした病気を抱えながら、小学校6年生の女の子が、お菓子屋さんをオープンするという夢を叶えました。
香ばしい香りが部屋中に立ち込めています。
作っているのは、北田怜奈(きただ・れな)さん。小学校6年生です。
この夏、念願のお菓子屋さんをオープンさせました。
怜奈さんのすぐそばには、椅子が置かれています。
「常にめまいみたいな感じがするから」
そう話す怜奈さんは、小学校3年生の秋、突然、朝ベッドから起きられなくなりました。
原因は『起立性調節障害』。
自律神経が乱れて血圧が下がり、全身の怠さや頭痛など、さまざまな不調を引き起こす病気です。
「地獄だった」
学校に行きたいのに行けない、辛い日々が続きました。
怜奈さんの母親・弥生さんは「朝元気なときは必ず6時前に起きてくる。元気がないと7時過ぎても起きてこなくてLINEで“頭痛い”っていうスタンプが何個も送られてくる」と話します。
そんな苦しい毎日の中で心の支えになったのが、お菓子作りでした。
お菓子屋さんのオープン当日の朝7時。この日は、札幌市内のレンタルキッチンを間借りします。
怜奈さんの夢の舞台を、母の弥生さん、妹の真央さん、祖母、伯母も手伝います。怜奈さんは料理教室に通い、3か月にわたり、試作を重ねてきました。
販売に必要な食品衛生責任者の資格は、母親の弥生さんが取得。
母と娘、二人三脚で準備して来ました。
お店の名前も一緒に決めました。『れなねこのお菓子やさん』。
6種類の焼き菓子のうち、4種類のスコーンを怜奈さんが1人で作ります。目標は、スコーン140個に、ドーナツ50個、合わせて190個です。
計って、混ぜて、成形する。単純に見えますが、集中力が必要です。
『起立性調節障害』の影響で、怜奈さんは一日中起きていることが難しいといいます。朝7時から作業を続けていて、辛そうな表情を見せる怜奈さん。
なぜ、そこまで頑張れるのでしょうか?
「人にあげるものは、丁寧に作りたいし、美味しく作りたい」
「作ってあげたいという気持ちの方が高いから、そこまで疲れない」
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