2024.10.17

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「こころが男性どうし」の“ふうふ”が作る家族の形 応援し続けてきた人たちと、変わってきた社会の目【忘れないよ、ありがとう⑥】

午後8時をまわり、かけつけたお客さんがゆっくり楽しめる時間にできるように、わたしとカメラマンは取材を切り上げることにしました。
ちかさんとてる子さんは、わたしたちを見送りに玄関に出てくれました。

「いまの保育園は1歳までだから、別の保育園に行くことになって」と、ちかさんはこの日の日中にあった、みぃくんの卒園式の写真をみせてくれました。写真には、ちかさんの腕の中で安心したようにどっしりと座る、みぃくんの姿がありました。

「みぃくん、もう走ったりするんです」と、ちかさんは愛おしそうに写真を見つめます。

「まだまだ慣れない育児に困ることもたくさんあるけど、すごい幸せです。一つひとつが。新たな発見ばかりです」

すっかり親の表情を見せるちかさんの横顔を、てる子さんも頼もしそうに見つめていました。

「お世話になりました、ありがとうございました~」
わたしたちが乗り込んだタクシーがその場を離れるまで、ちかさんとてる子さんは、手を振って見送ってくれました。

わたしは取材以外でも、プライベートで時折この店を訪れていたので、もう店でのちかさんに会えないのかと思うと、しみじみと寂しい気持ちになりました。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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