2024.09.20

暮らす

形見の重機と土地を引き継いで…「ここで生きる」米農家の思い【北海道胆振東部地震6年】

形見に残った重機で

2018年当時の捜索

「大丈夫かと言っても全然返事なくて、どこにいるかも分からないし。参った」

当時、正芳さんの家の向かいに住んでいた泰夫さんも自宅が半壊。

生海さんと2人で外に出た時に見えたのは、変わり果てたマチの光景でした。

正芳さんが見つかったのは、地震発生から3日後。
行方不明者の捜索で最後から2番目に発見されました。

佐藤正芳さん

遺体の損傷が激しく、最期の姿を見ることはかないませんでした。

唯一、形見として残ったのは、正芳さんが震災の年の春頃に買ったという重機です。

「ドアも開かなかったが何とかこじ開けて、今度は鍵があるかどうか分からなかったのだけど、カップホルダーの中に鍵が置かれていて…『使ってくれ』と置いてくれたのかな。使いたかっただろうな」

正芳さんが遺した重機を使って農地を復旧させ、この春、泰夫さんは正芳さんの土地を引き継ぐことになりました。

「将来的に山の際に建物を建てる気はないので、ちょっとした果樹などを育てようかと」

本業の米の収穫も、もうすぐ最盛期を迎えます。
この場所に安心して過ごせる休憩所を作ることが、いまの目標です。

「農地は動かす事ができないので、そこでやるしかないから、先祖からの農地を守っていければ」

【特集】“じぶんごと”防災

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年9月6日)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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