2024.09.20
暮らす「大丈夫かと言っても全然返事なくて、どこにいるかも分からないし。参った」
当時、正芳さんの家の向かいに住んでいた泰夫さんも自宅が半壊。
生海さんと2人で外に出た時に見えたのは、変わり果てたマチの光景でした。
正芳さんが見つかったのは、地震発生から3日後。
行方不明者の捜索で最後から2番目に発見されました。
遺体の損傷が激しく、最期の姿を見ることはかないませんでした。
唯一、形見として残ったのは、正芳さんが震災の年の春頃に買ったという重機です。
「ドアも開かなかったが何とかこじ開けて、今度は鍵があるかどうか分からなかったのだけど、カップホルダーの中に鍵が置かれていて…『使ってくれ』と置いてくれたのかな。使いたかっただろうな」
正芳さんが遺した重機を使って農地を復旧させ、この春、泰夫さんは正芳さんの土地を引き継ぐことになりました。
「将来的に山の際に建物を建てる気はないので、ちょっとした果樹などを育てようかと」
本業の米の収穫も、もうすぐ最盛期を迎えます。
この場所に安心して過ごせる休憩所を作ることが、いまの目標です。
「農地は動かす事ができないので、そこでやるしかないから、先祖からの農地を守っていければ」
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年9月6日)の情報に基づきます。