2021.09.08

暮らす

今夏の北海道の気温は異常気象だった!?気象予報士が振り返る「北海道の夏」

「天気を味方にすると、暮らしはもっと快適になる!」をテーマに、毎日の生活に役立つお天気情報の”見方”を気象予報士がお伝えします。

記録づくめの今年の夏 北海道でもクーラー必須?

とにかく暑い日の多い夏でした・・・
猛暑に見舞われた2021年北海道の夏を振り返ります

道内での40℃超えも時間の問題?

9月に入り、朝晩は涼しくなり秋の気配を感じるようになってきました。

先日、気象庁から、「夏(6~8月)のまとめ」という資料が発表されました。気象の世界では、12~2月を冬、3~5月を春、6~8月を夏、そして9~11月を秋と、季節を分けてデータをまとめているのですが、この夏はまさに「異常気象」となりました。

この夏を振り返って思い出すのは、何日間も、しかも夜でも続いた「暑さ」ではないでしょうか?太平洋高気圧の勢力が強かった影響で、晴れて強い日ざしが降り注ぎ、南から暖気も流れ込みやすかったため、たいへん厳しい暑さに連日見舞われることに。北海道の7月の平均気温は、史上最も高くなりました。

道内で最高気温35℃以上の猛暑日になることは平年(いつもの年)では、年に数回あるかないかで、時には観測されない年もあります。

しかし、今年は、7月24日から8月7日にかけて15日間も連続するなど、合計21日もの猛暑日が、道内のどこかの街で観測されたのです。

主な都市で見ても、札幌は3日、旭川では10日でいずれも観測史上最多の猛暑日日数となりました。なお、東京の今年の猛暑日はわずか2日・・・、東京よりも多かったのです。

7月31日は旭川市江丹別で38.4℃を観測し、7月の道内の歴代最高気温の記録を塗り替え、8月7日に留萌地方の小平町で観測された38.7℃は、8月の道内の歴代最高気温を更新しました。

また、札幌では夜間の気温が25℃を下回らない熱帯夜を史上初めて8月に4回も観測するなど、寝苦しさも記録的でした。この暑さは地球温暖化も原因の一つと考えられます。地球全体の大気の温度が高くなっているため、すぐに異常な温度にまで上がってしまう・・・

もし、このまま温暖化が進めば、数十年後には、北海道でも猛暑日は当たり前になり、40℃超えるような日も出てくるかもしれません。今後は、北海道の夏も、エアコンの欠かせない暑さがふつうになってしまうおそれがあります。

全道と札幌で、今夏そして過去に、観測された最高気温の記録は以下のとおりです。

★北海道で観測された2021年夏(6~8月)の最高気温
留萌地方 小平町(達布)  38.7℃ 2021年8月7日 午後1時00分

★札幌(中央区)で観測された2021年夏(6~8月)の最高気温
35.1℃ 2021年7月28日 午後0時53分

★北海道で観測史上最高の気温
網走地方 佐呂間町 39.5℃ 2019年5月26日

★札幌(中央区)で観測史上最高の気温
36.2℃ 1994年8月7日

参考資料:札幌管区気象台「北海道地方 夏の天候」
https://www.jma-net.go.jp/sapporo/tenki/kikou/weatherflush/pdf/matome20213.pdf

協力:HBCウェザーセンター 気象予報士:児玉 晃

児玉 晃 予報士が所属する気象予報士クリエイター集団「サキドリーズ」が運用するYouTubeチャンネルてんきよほうでは、日本全国の天気や季節の話題をわかりやすくお伝えしています。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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