2024.08.20

出かける

札幌市内に『野生の王国』があった!クマ対策がもたらした思わぬ「宝物」とは/滝野すずらん丘陵公園

札幌市内の『野生の王国』

滝野すずらん丘陵公園の隠れた人気スポット、「滝野の森ゾーン」。

木の上の実を発見した今井さん

散策路に入ってすぐ、滝野管理センターの今井健太さんが見つけた実は、「オニグルミ」。

「リスは半分に割って中をかじる。ネズミは横に穴を空けて食べる。食べた痕によって、どの動物が食べたかわかる」と教えてくれました。

リスが食べた痕

ネズミが食べた痕

自然のおもしろさを安全に楽しんでもらうため、力を尽くしているのが「クマ対策」です。

なぜクマは侵入?「知る」ことから始める

生徒たちにクマ対策を説明する今井さん

6月、札幌藻岩高校の生徒が、クマ対策を学びに来ました。

今井さんは、ある親子グマの写真を見せました。

画像提供:滝野すずらん丘陵公園

母親が必死になって外に出ようと、フェンスの下を掘っています。その様子を、子どもがじっと見ています。

画像提供:滝野すずらん丘陵公園

次の瞬間、何か音がしたのか、2頭そろって振り返りました。

2020年に公園に侵入し、ようやく外へと脱出した日の写真です。

公園には、過去に何度かクマが侵入しています。
最初は「恐怖でしかなかった」という今井さんですが、「知る」ことで、冷静に対処できるようになったといいます。

「見ているだけじゃダメだと。調査に参加させてくださいと直訴して、専門家について行かせてもらった。一概にクマだから危ない怖いではなくて、シチュエーションごとに判断が変わってくると知った」

画像提供:滝野すずらん丘陵公園(2013年の専門家の調査に同行)

どうしても公園に入りたい、「クマ側の事情」も知りました。

繁殖期のオスは、メスが連れた子どもを攻撃することがあります。
2019年、専門家は、母親が子どもを守るために公園を「駆け込み寺のように利用した」と指摘しました。

画像提供:滝野すずらん丘陵公園(2019年に侵入した親子グマ)

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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