2024.08.20
出かける案内してくれたのは、滝野管理センターの今井健太さん。
散策路にある「森の観察デッキ」は、高さ5メートルで、鳥の目線や虫の目線で森の中を歩ける橋です。
5メートル視点を上げると、何が変わるのか?
たとえば、地面から見上げたこちらの木。
まあ…「木」ですよね…。「みどりがキレイだなあ」とは思いますが、実は、この木に花が咲いているなんて、気づきません。
それが、観察デッキの上から見てみると…
目の前に花が!ゆっくり観察できるんです。
こちらは「ツルアジサイ」。
四葉のクローバーのような、周囲の白い部分が花かと思いましたが、今井さんによると、中心のツブのように見える小さなものが花で、周りの白いのが「偽物の花」だそう。
「小さい花は目立たないので、偽物の花でにぎやかにして、昆虫に『花がある』と思わせて寄せ、花粉を運んでもらうんです。虫を寄せるための装飾花なんですよ」と教えてくれました。
たしかに、画像中央のあたりにしっかり虫が寄ってきてくれているのが確認できます…賢い戦略!
花だけでなく、葉にも植物の生きる術があります。観察デッキから地面を見下ろすと、一面が葉の緑におおわれて、土が見えません。
今井さんは、「観察デッキからだと葉っぱを真上から見ることになって、葉っぱ同士が重ならないようについているのがわかる。光合成をするために、葉っぱ同士が重なると下の葉っぱに日が当たらない」と話します。
この観察デッキでは、目の前を鳥が飛んで行ったり、木にとまった昆虫が見られたりもするといいます。
手すりは、木から落ちてきた毛虫や幼虫などを見つけやすいスポットです。意識しないと通り過ぎてしまいますが、注目して見ると、次々ちがう種類が見つかります。