「函館市に向けてプレゼンをするプロポーザル審査は3年に1度あるんですが、春・夏で植え替えをするので植栽は1年に2回、その3年分なので合計6つの案を出さなきゃいけないんです。追い込まれないと本気を出せないタイプなので、案の提出締切が近づくと、毎日睡眠時間を削って机に向かってデザインを描いてる感じです(苦笑)」
苦労はそれだけではない。食材や建築資材などが軒並み高騰している昨今、花の市場価格も総じて上がっている。しかし、委託業者に与えられる造成予算は毎年変わらない。当然のごとく、植栽するスペースも毎年変わらない。そうかといってクオリティを下げるわけにもいかず、マンネリも回避しなければならない。つまり、山本さんが知恵を絞りに絞るほかに手はないのだ。
「たしかに予算内で喜んでもらえる案を考えるのは大変ではあるんですが、この仕事が好きだからできちゃう(笑)。それにここは函館の顔ですから、そこをたくさんの花で飾るのはやり甲斐もあります」
毎年、「春花」をテーマにした花壇を4月〜6月まで公開し、6月下旬には植え替えの作業に入り、今度は「夏花」をテーマにした花壇が10月まで公開される。エリアごとに軸となるカラーリングとデザインを変え、どこに何の花が植えられているかは広場内に設置されたインフォメーションボードと、そこに記載されたQRコードを読み取ると特設サイトにアクセスできて詳細がわかる仕掛けとなっている。
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