2024.07.26

暮らす

街の入口にて、住む人を癒し、来た人を笑顔に。―『桔梗造園』が彩る函館駅前広場の花壇

花壇造成を担うコンソーシアムの中心人物である山本かおるさん。当初、家業である『桔梗造園』には事務方で入社したが、かつて東山にあった『函館東山ローズヒル バラ園』の管理の仕事をきっかけに植栽の現場に出るようになった。

「函館市に向けてプレゼンをするプロポーザル審査は3年に1度あるんですが、春・夏で植え替えをするので植栽は1年に2回、その3年分なので合計6つの案を出さなきゃいけないんです。追い込まれないと本気を出せないタイプなので、案の提出締切が近づくと、毎日睡眠時間を削って机に向かってデザインを描いてる感じです(苦笑)」

苦労はそれだけではない。食材や建築資材などが軒並み高騰している昨今、花の市場価格も総じて上がっている。しかし、委託業者に与えられる造成予算は毎年変わらない。当然のごとく、植栽するスペースも毎年変わらない。そうかといってクオリティを下げるわけにもいかず、マンネリも回避しなければならない。つまり、山本さんが知恵を絞りに絞るほかに手はないのだ。

「たしかに予算内で喜んでもらえる案を考えるのは大変ではあるんですが、この仕事が好きだからできちゃう(笑)。それにここは函館の顔ですから、そこをたくさんの花で飾るのはやり甲斐もあります」

毎年、「春花」をテーマにした花壇を4月〜6月まで公開し、6月下旬には植え替えの作業に入り、今度は「夏花」をテーマにした花壇が10月まで公開される。エリアごとに軸となるカラーリングとデザインを変え、どこに何の花が植えられているかは広場内に設置されたインフォメーションボードと、そこに記載されたQRコードを読み取ると特設サイトにアクセスできて詳細がわかる仕掛けとなっている。

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peeps hakodate

函館の新しい「好き」が見つかるローカルマガジン。 いまだ開港都市としての名残を色濃く漂わせる函館という街の文化を題材に、その背後にいる人々を主人公に据えた月刊のローカルマガジン。 毎号「読み物であること」にこだわり、読み手の本棚にずっと残り続ける本を目指して編集・制作しています。(無料雑誌・月刊/毎月10日発行)

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