2024.07.30

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「木が応えてくれる」優しい音を紡ぐ“ラブフルート”演奏と製作続け27年

こちらの素朴な風合いの縦笛、「ラブフルート」と呼ばれるアメリカの先住民の伝統楽器です。

その音色に魅了され北海道内外で演奏活動を行うほか、自ら製作も手がける北海道恵庭市の男性を訪ねました。

工房にやすりの音が響きます。

小野昭一さん(71)が作っているのは、「ラブフルート」と呼ばれるアメリカの先住民の縦笛です。

「木の種類によって響き方が違うので、どうなるのかなと…考えるというか、感じているというか」

優しい音に魅了され、演奏と笛の製作を始めて27年になります。

「木という存在の大きさに敬意を持つというか、僕らと同じように呼吸している存在だと思う。息を注ぐと木のほうが応えてくれる、まさに自然そのものと一緒になっている感じ」

小野さんの演奏には、「曲という概念はない」といいます。

「自分の息の風が、綺麗なものに変わる楽しみがあればいい。響きの中にいると、風というか、見えないが感じる不思議な世界がある」

自分がどこにいるのか。

何をしているのか。

そんなことも忘れるような、考えずにいられる瞬間。

小野さんはラブフルートを演奏するその時を「贅沢だと思う」と話します。

「心の奥から生まれてくる自分の思いが表せる」

小野さんは、東日本大震災のとき、被災地をめぐり、ラブフルートの演奏を行いました。

「皆さんの心が敏感になっていた」小野さんはそう振り返ります。

そんな場所へ、10年ぶりにめぐったとき…「きれいな音をおぼえています」と声をかけられたのだといいます。

「一生に一回きりでも、ずっと残っていくような響きとの触れ合いで、人との出会いもあるというのが大切なことのように思う」

小野さんはこれからも、北海道から人々の心を癒す音色を響かせます。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年7月15日)の情報に基づきます。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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