2024.07.09
深める—本格的に勉強したんですね。試験は難なくパスしましたか?
樋口さん 一次試験は筆記だから、勉強すればなんとかなると思ったのですが、二次試験のテイスティングは特に大変でした。知識ゼロからのスタートだったので、ブドウの品種を覚えるところから始めて、1日30本くらい朝、晩とワインの香りを嗅いだり、飲んでみたり。猛勉強したんですが、試験の1週間前に妻から風邪をうつされちゃって・・・。鼻がまったく利かなくなりました。それでもなんとか治して試験に臨み、合格しました。
—今では余市町ワイン大使も務め、お笑い界一のワイン通として知られる樋口さんですが、北海道産ワインとの関わりって?
樋口さん ワインエキスパートに合格してから、「LIFE is WINE」という日本ワインのイベントに呼んでいただいたんです。全国の醸造家がたくさん来ているイベントで、そこで初めて余市町にある「ドメーヌ・タカヒコ」の曽我さんにお会いして、いろいろと教えてもらいました。曽我さんが造る「ナナツモリ」というピノ・ノワールのワインを初体験させてもらって。曽我さん曰く、「日本は雨が多いので、ワインが薄いと言われることがあるけれど、この繊細な味わいの中に旨みやおだしのような出汁感があって、それが和食によく合うんですよ」と。曽我さんの解説を聞きながら、「なるほど!」とワインがどんどんおいしくなるのを実感しました。もちろん、元々おいしいワインなのですが(笑)。それから日本ワインにはまりました。全国のワイナリーを巡るようになり、余市町のワイン大使にも任命していただきました。北海道は、日本の中でも特に注目度の高いワイン産地だと感じています。
—そして今回、「みれば美味しくなるワイン」につながったんですね。