3年前に【劇症型溶連菌】に感染した植田万喜子さんはその怖さを、身をもって体験しました。
「普通に熱が出て寒気がして、食欲ないけれど、ちょっと食べようかなと思ったら、右手が痛くて…赤くなっていたんですが、どんどん広がって」
「痛くて息ができないというか、どんどん色が変わって、どんどん上がってくるんですよ。多分、肩のあたりまで来てたかな。もう元には戻らない気がしていました」
体調に異変を感じてから右腕を切断するまでは、わずか3日の出来事でした。
担当医師には「植田さんの命は残り24時間もなかった」と言われたといいます。
「医師の判断も難しいようで、私は6件も病院を回ってようやく正しい診断が出た。異常を感じたら医師に『劇症型溶連菌ではないか?』と確認して、一人でも私のように腕をなくすことがないようにしてほしい」
植田さんはそう話してくれました。
しかし、不幸にして、命を落としてしまうケースも少なくありません。
北海道日本ハムファイターズで長年スカウトを務め、ダルビッシュ有や大谷翔平の入団に尽力した今成泰章さんは、2年前「劇症型溶連菌」に感染し、帰らぬ人となりました。
次男で元ファイターズの選手、今成亮太さんは、当時を振り返ります。
「発症の1週間ぐらい前に一緒にゴルフの打ちっぱなしに行っているんですよ…普通に元気よく。体調悪いとか、そういことも一切聞かず…」
最初の症状は、嘔吐と下痢でした。
「1日病院に行くのを我慢していたらしいんですね。病院に着いたときには、意識もちゃんとありながら、でもちょっと体調が悪いみたいな」
しかし、入院が決まってからは、みるみる体調が悪化。亡くなる寸前には手首、足首まで壊死が進行していました。
わずか一週間ほどで父親を亡くすことになった今成さんには、心残りがありました。
「1日でも早く診察していたら、助かる命だったのかな…ちょっとでもおかしかったら病院に行ってもらいたい」
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