2024.06.26
育む産婦人科から紹介されたメンタルクリニックで医師に言われたのは「女性ホルモンの影響による一時的な産後うつ症状です」という言葉。
「あ~、やっぱりな」と思ったのを覚えています。
自分でも、今の自分は普通の状態ではないと感じていたので、納得しました。
病院を出ると真夏のような日差しが照り付けていて、まぶしくてクラクラして…。
漠然と「このまま消えてしまいたいな」と思いました。
それでも、「早く帰らないと、お世話しないと」と歩き始めると、私の目に飛び込んできたのは、若いお母さん。
私よりもずっと若そうなそのお母さんは、2人の子どもを連れて歩いていました。
「どうして私にはうまくできないんだろう。私は母親業を全うできていない」
「私は育児に不向きな人間」
こんなにも自分の無力さを痛感したのは初めてで、それまでの自分が小さく小さくなって、消えてしまいそうと感じていました。
秋になって札幌の自宅に戻ったころには、心身の状態はかなり良くなっていました。
それでもやっぱり「私は育児が苦手」という思いはぬぐえないまま、悪戦苦闘する日々。
そんな中で、自宅訪問してくれた保健師さんに言われたことがあります。
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