2024.06.30

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登山好きにも、そうじゃない人にも届けるために。マンガ「山食」のこだわりがスゴかった!【作者・信濃川日出雄さんに特別インタビュー!】後編

北海道生まれ北海道育ち。生粋の道産子であるHBCアナウンサー・堀内美里(ほりうち・みさと)が、趣味である「登山」と「山ごはん」を連載。
普段は山登り初心者でも楽しめる、お手軽✕絶景の山をご紹介しているのですが、今回は、特別編!漫画家・信濃川日出雄さんのインタビュー記事をお届けします。

【連載】「堀内美里の言いたいことは山々ですが」

実はコレが私の山登りの原点…!マンガ「山と食欲と私」が大好きなものを教えてくれた【作者・信濃川日出雄さんに特別インタビュー!】前編
読むとヨダレが止まらなくなる…マンガ「山と食欲と私」に登場する「ごはん」へのこだわりとは?【作者・信濃川日出雄さんに特別インタビュー!】中編
から続く

「山食」作者、信濃川日出雄さんに聞いた!始まりは山と旅マンガ?作中のこだわり

「山食」を描き始めたきっかけを教えてください

元々、「ヒューマン&ショートコメディー」を描きたいという思いがありました。
そんな中で、2015年に当時の担当編集から「アウトドア漫画をやらないか」という誘いがあったんです。

僕が興味を持っていた「山」を題材にすることに決めて、打ち合わせを重ねていきました。その中でさらに多くの読者に間口を広げようと、「女子のおひとりさま」や「ごはん」の要素を加えていきました。

「山」といっても漠然としているので、題材とするうえでわかりやすい趣味の「登山」、そして「山旅」を展開軸に置きました。
後は、連載を重ねながら現在の形になっていったという感じです。

どんな人に届けたいですか

登山をする方はもちろんですが、しない方も結構読んでくれているんですよね。
「山を好きになってほしい」という気持ちより「マンガとして楽しんでくれたら嬉しい」という気持ちが強くて…。一話10ページくらいの短編集で、ハードな描写もない、基本的にコメディ作品にしています。

もちろん、これをきっかけに登山をはじめたり、登山ではなくても何かに挑戦したりする人がいてくれれば嬉しいですけどね。

信濃川さんも普段から旅をして、山へ?

連載との兼ね合いもありますが、取材として数週間旅に出ることはしばしばあります。

「山食」には北海道から九州まで、日本全国の山が出てきますが、ほとんど自分で登っていますね。1つの山につき1000枚くらい写真を撮りながら登って、マンガの参考にしています。

去年、長野県の燕岳に行ったとき、再現性の高さに感動しました。

「山と食欲と私」第15巻・第169話・113p(Ⓒ信濃川日出雄/新潮社) 私が撮った山の写真…稜線の様子や、岩の形までしっかり再現されています!

山やごはんだけでなく、麓や温泉、街の風景も全部撮ります。
タクシーの運転手さんにお願いして、景色が良く見える場所に連れて行ってもらうことも。

「山と食欲と私」第6巻・第61話・29p(Ⓒ信濃川日出雄/新潮社) 夏の午後3時ごろ、雲取山山頂へと続く石尾根を歩いている際の光の向き、影、山小屋を正面にした際の光の状態などを実際と同じように描写

読者の方々にはあまり気づいてもらえないのですが、太陽や建物の場所、影の伸び方や向きまで、正確に書いています。自分が旅をするからこそ得られた体験や実際に見た風景を使って、マンガでもリアリティを追求しています。

幅広い方に読んでほしい気持ちもありつつ、普段登山をしている人たちにとっても、ちゃんと読みごたえがある作品にしたいので、そこはこだわっています。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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