2024.06.14
深める5月、北海道南部の北斗市で、赤ちゃんの遺体を遺棄した疑いで母親とみられる女が逮捕されました。
「幼い命を守るために何ができたのか…」
支援のあり方を考えます。
事件の発覚は5月19日。赤ちゃんの遺体は、冷たい土の中から見つかりました。
翌日逮捕されたのは、青森県弘前市の大内流星(るな)容疑者25歳。
親族が住む北斗市の住宅の庭に5月上旬、生後間もない女の赤ちゃんの遺体を埋めた疑いが持たれています。
警察によりますと、胎盤のようなものやへその緒がついた状態で見つかった赤ちゃん。
医療機関ではない場所で産まれたあと、まもなく死亡したとみられます。
なぜ周りに助けを求められなかったのか。今回の事件に悔しさをにじませる人がいます。
札幌市にあるにんしんSOSほっかいどうサポートセンターの田中佳子所長です。
「もし私たちのことを知っていて、一報をくれていたらなんとかなったんじゃないかな…」
「にんしんSOSほっかいどう」は北海道の委託を受けて、24時間365日、電話やLINEなどで妊娠の相談を受け付け、居場所のない妊婦の継続支援も行っています。
田中所長は「1人で妊娠したわけではないのに、女性だけが責められて…。そういう妊婦さんをなるべく減らしたい」と話します。
寄せられる相談は、月300件ほど。
「一度も病院にかかっていない」
「赤ちゃんをどうしていいかわからない」
一刻を争う助けを求める声も次々と舞い込んできます。
「赤ちゃんを弘前市で産み、遺体を親族の住宅に運んで埋めた」などと供述している大内容疑者。
「どうしていいかわからない」状況に陥ってしまったのでしょうか。出生届も出していなかったとみられます。
支援につながらなかった背景には、「後ろめたさ」があったのではないかと田中所長は分析します。
「ちゃんと結婚していなかったり、いろんなことで妊娠しちゃったので、自分を責めている部分もあるんですかね。大体みなさん『怒られるのが怖かった』と言うんです」
大内容疑者がどんなケースだったのかはまだわかっていませんが、最悪の事態になる前に、頼れる場所の存在を本人と周りの人が知っておくこと。それが、幼い命を救う第一歩です。
電話080‐4621‐7722 LINEでも受け付け
交際相手や家族からの相談も受け付けています。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年5月27日)の情報に基づきます。
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