2024.05.30

深める

職場の先輩たちの顔色を伺っていたら、なんだか色々うまくいかない…どうしたらいい? お悩み#63

得られた情報をもとに、相手になりきってみる

そして、その分析から得られた情報をもとに、相手になりきってその真似をしてみるというか。
その人を自分で「演じてみる」とね、これが不思議と、今までわからなかったことがすんなり腑に落ちたりする気が、あたしはしているの。

家に帰ってから実際の身振り手振りを伴いつつでもいいし(あたしは割と部屋でひとり芝居しちゃいます苦笑)、慣れてきたら脳内ででももちろんいい。
そうすると、映画『Wの悲劇』の「女優!女優!女優!」じゃないけれど(ご覧になったことあるかしら)、三田先生の語るように「勝つか負けるか」とまではいかなくても、相手が導き出しがちな「正解」めいたもの、逆に忌避しがちな「間違い」みたいなものまで、100%とはいかずともある程度、肌感で理解できるようになるんじゃないかなって思うんですよね。
あーさんママの上司の場合で言えば、今まで「気分屋」とだけ説明していたものが、もう少し具体的な肉付きをもって見えてくるようになるんじゃないかしらって。

このやり方がうまく身に馴染めば、しめたもの。
相談文にあったような「どういうタイミングでわからないことを聞いたらいいのか」って疑問が生まれたら、まずは一度様々な場面や内容を想定して、相手を演じて確認してみる。そうすると「これだ!」ってシナリオが時に見つかるはず。
職場の先輩たちの裏のギスギス感も、それぞれのキャラクターを演じつつ、その相性を確認してみちゃいましょう。「なるほど、こことここはこうかち合っちゃうのか」と納得できるかもしれない(これは、複数の役を演じるという意味で、少し応用技だけれどね)。
みんなの顔色を「見る」のではなく、みんなの顔色に「なってみる」。
これだけで、きっとあーさんママにとって今の職場、もっと息のしやすい場所になっていくんじゃなかろうか。

イメージ (舞台)

「この世は舞台、人は皆役者」とは、シェイクスピアの『お気に召すまま』の名台詞ですが。
あーさんママ、あなた、人見知りだとおっしゃるそんな自分の根本を、大きく変えようとか、捨てようとかだなんてしなくても大丈夫。
それよりも、もっと気楽に人生というお芝居を楽しみ、時にいつもつけない様々な仮面を身にまとって、思いっきり役者として今を演じ切ってみてはどう?
きっとそのパフォーマンスに没頭することができれば、上司や先輩たちはもちろん、それ以外の人たちとも、実りあるコミュニケーションをその先に得ることができるはずだから。

戯れに思える中に、真なるものを見い出せるときがある。
あーさんママにもそれが伝わるといいなぁと思いながら、「コラムニスト」というペルソナを楽しく生きるあたしが、西創成のとある一室にて、パソコンへと想いを綴っているのでした。

ま・と・め♡

というわけで、今回は「上司とのコミュニケーション」という話題について色々考えてみました。「ごっこ遊び」の大切さに気づき始めたのはいつの日だったかなぁ。

とはいえこのやり口、演じやすい相手もいればそうでない人もいるだろうし、あくまでシミュレーションだから、その成功率もまちまちなんだけれどね(最近もあたし、このやり方にあぐらをかいてたみたいで、大失敗した経験が)。
あと、なんで生き様を演技でトレースし難い相手に限って、恋愛的にも惹かれるのかしらね……って誰も聞いてないか!笑

皆様もそれぞれの舞台を、ぜひ素敵に華々しく生きてくださいませね
ではではまた次回。Sitakkeね〜!

***
文:満島てる子
イラスト制作:VES
編集:Sitakke編集部 ナベ子
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満島てる子:オープンリーゲイの女装子。北海道大学文学研究科修了後、「7丁目のパウダールーム」の店長に。LGBTパレードを主催する「 さっぽろレインボープライド」の実行委員を兼任。 2021年7月よりWEBマガジン「Sitakke」にて読者参加型のお悩み相談コラム【てる子のお悩み相談ルーム】を連載中。お悩みは随時募集しています。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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