2024.05.31

育む

「こうちゃん好きなのに。ママきらいなの?」虫を愛する息子の言葉で…“好きな人の好きなもの”に新しい世界を教えてもらった日【室谷香菜子のいっくじ日記#4】

こうちゃんの言葉にはっとして…

その日こうちゃんはパパと一緒に〝チョウ“や”バッタ“を捕まえて大喜び。

かごに入った虫たちを持って、走って私のところまで来て、「ママ、触ってごらん!!!」と言うのです。

かごの中で動きまくる虫を前に、私は引き気味。

それでも「ほら!ほら!」と言うこうちゃん。

私は、「ママ、虫苦手なの!やめて!!」と強めの口調で返しました。

すると…

「えっ。なんで…かわいいのに。こうちゃんすきなのに。ママきらいなの…?」

悲しい表情で、口をついて出た小さな声に、私はハッとしました。

好きな人に、自分の大好きなものを全否定されたら…誰だって悲しいはず。

その日を境に、「息子の大好きなものに、私も興味を持ちたい」と、週末に出かけるときには、必ず虫取り網と虫かごを持っていくようになりました。

保育園でも息子の「虫愛」は止まりません。

夕方、園庭で遊んでいる時にお迎えに行くと、うちの子だけ鼻や口にまで土がついています。

大好きな虫にぐっと近づく…!

「こうちゃんはいつも虫と同じ目線の高さまで近づいて観察してるので、顔に土がついちゃうんですよね~」と先生。

なるほど。そりゃ顔も汚れますね。

またある日のお迎えの時間には「ママ、プレゼントがあるよ~!ほらっ!!」っと、小さな手をグーからパーに。

すると手のひらにはたくさんの小さな青虫。

心の中では「ひい~~~~!」と叫んでいましたが…

顔や手に土をいっぱいつけて、1匹1匹私に見せるために捕まえてくれたのだと思うと、愛しい気持ちがこみ上げてきます。

保育園からの帰り道も、「今日の給食はなんだった~?」「お昼寝はできた~?」という質問への答えは「忘れた」などと曖昧。

でも虫に関しては、1聞くと10返ってくる!

毎日こうちゃんの”虫愛“を間近に感じていたため、私にも徐々に変化が…。

去年、青森の実家に帰省した時のことです。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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