「学校カメラマン」の多くは、卒業アルバムの編集も手がけています。
アルバムに必要な写真をたくさん集めるために、学校行事すべてに同行しなくてはなりません。
しかしその費用は、実は写真館持ち!
集合写真やスナップ写真を、保護者らに販売することでその旅費を捻出するため、ある程度の売り上げがなければ、採算がとれません。
だから、人数が少ない学校にはカメラマンが派遣できないのです。
このまま学校カメラマンが減り続けば、「卒業アルバム」が作れない学校が出てくるのではないかと河野さんは心配しています。
岩見沢緑陵高校です。20年前から、河野さんに学校カメラマンを依頼しています。
この日は、1年生の宿泊研修。河野さんも同行します。
生徒は、河野さんの姿を見るなり 駆け寄ってきます。
写真を見てみると、みんな、いい表情!
実は、生徒の多くは、地元の幼稚園や小・中学校で河野さんに写真を撮ってもらったことがある、「顔なじみ」なんです。
学校は一時期、料金の安さから、別の地域のカメラマンに切り替えたことがあります。
しかし、学校には「河野さんの方がいい」という声が届いたといいます。
黒島敏校長は「子どものころから慣れ親しんでいる子が多いので、河野さんの写真の生徒たちは笑顔が自然ですよね」と話します。
「価格だけではなく、価値観を大事にしたい」
地元のカメラマンにしか撮れない表情がある、そんな気付きから、 再び河野さんに撮影を依頼しました。
スマホが身近になり、だれでも写真を撮れる今の時代。
それでも河野さんは「5年後、10年後、20年後に思い起こせるような写真を残せるのは、卒業アルバムしかない、われわれのように仕事としている人間が残していかなくてはいけない」と胸をはります。
学校カメラマン不足に対応しようと、北海道内では新たな取り組みも始まっています。
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