2021.08.25
出かける北海道民のみなさんは「おやき」と聞いて何を思い浮かべますか?中にあんこやクリームが入った焼き菓子をイメージする方が多いのではないでしょうか。長野県出身の筆者にとって、「おやき」は県民のソウルフード。野沢菜や切り干し大根、紫芋などの野菜メインの具材を小麦粉の生地で包み、蒸したり、焼いたりしたものが、長野の「信州おやき」。実は北海道の「おやき」とは全く別モノなんです。
もちろん、北海道の「おやき」もおいしいけれど、長野の「信州おやき」も、道民のみなさんにぜひ食べてみてほしい…。そんなふうに思っていたところ、札幌市で「信州おやき」を食べることができるお店があるという情報をGET!さっそく訪れてみました。
訪れたのは、円山裏参道エリアに今年4月オープンした「円山おやき満月屋」。
笑顔で迎えてくれたのは、オーナー・石澤里佳さん。おやきの種類は、月替わりのものも含めると、なんと全13種類!
常時6種類を中心に、店内にずらっと並べられたおやきは、どれもすっごくおいしそう。今回は、信州おやきの定番である「野沢菜」、そして石澤さんおすすめの「チンジャオロース」と夏限定の「水なす」を注文しました。セットメニューを注文するとタジン鍋でおやきを温めてくれるという嬉しいサービスも!
※今回は単品注文でしたが、取材用にタジン鍋でご提供いただきました。
一口かぶりつくと「さらにもう一口!」と止まりません。ぎゅっとつまった具から溢れ出すうま味、そのうま味がしみこんだ、優しい食感の皮…。これぞ、長野県民のソウルフード・信州のおやき。たまりません。
「野沢菜」は、これぞ信州おやきの定番の味!と唸るほどにおいしく、「チンジャオロース」は、野菜の歯ごたえとお肉のうまみが絶妙な味。そして夏限定の「水ナス」も、熱々のうまみが皮からあふれ出るほどにたっぷり。最後に、おだしの利いたお味噌汁を流し込むと、からだいっぱいに、その優しい味わいが染みわたりました。
満月屋オーナーの石澤さんは、もともと超多忙なキャリアウーマンだったそう。
仕事で札幌と東京を往来し、朝から晩まで仕事一色の生活を送っていた石澤さん。忙殺される日々の中、自身の病気が発覚。これからの生き方・働き方について改めて考えるようになったといいます。そのとき、ふと胸に浮かんだのが、旅行先の長野で食べた、屋台のおやき。
多忙な毎日を送っていた石澤さんにとって、その味わいは、「ほっとできる味」として心にずっと残っていたそう。その後、多くの人々に支えながらも、おやきについて独学で学び、地元・札幌でお店をオープンしたといいます。「美味しいおやきをつくりたい。老若男女問わず、みんながほっとできる味を提供できれば」と話す石澤さんの笑顔が印象的でした。
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編集後記:長野出身の筆者は、満月屋さんのおやきを食べ、幼少期の頃をふと思い出しました。長野のおばあちゃんの家で、家族みんなとおやきを食べた、あたたかな思い出を...。
やさしい味わいのおやきと、居心地のいい店内は、実家に帰省したようなホッとする気持ちにさせてくれます。
ホッとする味わいで、あたたかな気持ちになれる「信州おやき」。
忙しない毎日を過ごしている人にこそ、ぜひ食べてみてほしい、ぼくの大好きな故郷の味です。
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円山おやき満月屋
住所:札幌市中央区南1条西22丁目1-18
Build裏参道1階
営業時間 11:00〜17:00(L.o16:30)
定休日 水曜日•木曜日(不定休)
Insgtagram:https://www.instagram.com/mangetsuya33/
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文・もんすけラボ学生メンバー:莉久(北海学園大学2年)