2024.05.25
育む子どもだけでなく大人も楽しめる絵本を、絵本セラピスト協会認定「大人に絵本ひろめ隊員」、そして2児の母でもある、HBCアナウンサーの堰八紗也佳(せきはち・さやか)がご紹介します。
新年度の慌ただしさが一段落する5月~6月は、溜まった疲れで体調を崩しやすい時期。
真面目な人ほど、疲れを実感したり、不安や焦りで心がざわざわしたりするもの。
そんなときに読むと心が軽くなるような絵本をご紹介します。
おじいちゃんにいつも「だいじょうぶ だいじょうぶ」と声をかけられ育った“ぼく”。
大きくなって、こんどは年老いたおじいちゃんの手を握り「だいじょうぶだよ」と声をかけます。
時の流れを感じる、切なくも心温まるストーリーです。
言葉は言霊(ことだま) といいます。
言霊とは「言葉に宿っている不思議な力が働いて、言葉通りの事象がもたらされる」という、日本の伝統的な考え方ですね。
私はアナウンサーとして言葉を生業としていることもあり、言葉の力を強く信じています。
「だいじょうぶ だいじょうぶ」と、おまじないのように唱えてみてください。
きっと心が落ち着いてくるはずです。
私は昔、この絵本を大好きな祖母にプレゼントしました。
高齢者施設で暮らすようになった祖母が1人で不安にならないようにと願い、選んだ絵本です。
いつも優しい笑顔で包み込んでくれたおばあちゃん。
一緒にいる時間はとても心が穏やかでした。
そんな祖母が天国に旅立ったあと、私の手元に絵本が戻ってきたのです。
手に取ると、きっと何度も何度も読んでくれたのだろうと思える質感が、絵本から伝わってきて嬉しかったな…。
これが、デジタルでは味わえない 紙の絵本の良さ でもあります。
ちなみに白いページには、謎のメモが書いてありました(笑)。
祖母の話は以前も記事にしています。
ぜひのぞいてみてください!
「最近ちょっとお疲れ気味」なあなたに。大人になった"今"だからこそ、心にじんわりと響く絵本【2選】#今月の絵本通信|Sitakke【したっけ】
ピンボールのように、ぶつかりながら飛んで世界一周!
これだけで、すごいストーリーですよね。
長新太さんは “ナンセンスの神様” と呼ばれた、漫画家でありイラストレーターでもある絵本作家です。
不思議でユーモラスな作品を多く遺し、2005年に亡くなりました。
他に『キャベツくん』、『へんてこライオン』シリーズなどの名作があります。
どの絵本も奇想天外で面白い!
その中でも特におすすめしたいのが、今回ご紹介する『ゴムあたまポンたろう』です。
ショッキングピンクの表紙から、とにかくインパクトが強く、一度読んだら大人も子ども癖になること間違いありません。
この絵本を読むときのポイントは、頭の中を空っぽにすること 。
ナンセンスな絵本なので、 あれこれ考えてしまうこと自体が無意味 なのです。
あなた自身も、“ゴムあたま人間”になって読んでみてください!
時の流れに身を任せ、なすがままに飛んでいくポンたろうの姿を見ていると、日々の細かいことなんかどうでも良く思えてきますよ。
自分で自分の心を楽にする魔法 を持っていると、心にも身体にも良いですよね。
我が家では、アンパンマンに出てくる 「ショウガナイさん」 というキャラクターが大人気!
名前の通り、ショウガのキャラクターで、大変なことがあっても「しょうがない」で済ませる楽観的な性格です。
落ち込んだり悩んだりしたときに、「しょうがない~♪」と歌って気持ちを切り替えられるよう、家族みんなでお手本にしています。
また、ネガティブな思考になっているときは、 明日の自分を想像 しています。
次に1か月後・3か月後・半年後の自分を想像してみます。
すると、その頃には前を向いて歩きだしている自分が想像できるのです。
…なんて、偉そうに書きましたが、私自身があれこれ考えすぎてしまうネガティブ思考だからこそ、心がけている方法でもあります。
絵本も、身近なキャラクターも。
子どもと一緒に楽しみながら、大人の私たちもふっと心を軽くして…さぁ、今日も一日楽しく過ごしましょう!
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「連載コラム・今月の絵本通信」
文|HBCアナウンサー 堰八紗也佳
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編集:Sitakke編集部あい
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