2024.05.22
暮らす警戒心が強く、人前に姿を現さなかった「OSO18」。
駆除されたとき、顔に傷があったことから、4年間「OSO18」を追い続けてきた地元・標茶町のハンターは、「OSO18」よりも強くさらに危険なクマがいるのではないかと危惧しています。
「違うクマと争ってけがをして、そのけががもとで弱ったんじゃないかと。裏を返すとまだまだOSO18以上のクマがいるということを認識しなければいけない」
「OSO18」を駆除したことで、釧路町役場には、「これで安心できる」「ありがとう」など激励、感謝の声が10件ほど寄せられたといいます。
一方で、「なぜ殺したのか」「共存できなかったのか?」「捕まえて森に放すほうが良かったのでは?」など、主に北海道外から苦情が数十件寄せられました。
現場を知るハンターは、「クマとの共存」に高いハードルを感じています。
「1回住んでみてください、現場見てくれと言いたい。われわれだって面白半分でクマを追っているわけじゃない。共存なんてできるわけない」
簡単には実現しない、人とクマの共存。
だからこそ、第2、第3の「OSO18」を生まないために、早急な対策が求められています。
しかし、ことしもクマが牛を襲う被害が起きてしまいました。
クマの被害は道東だけ、酪農家だけの問題ではありません。
北海道全体、全国で、地域にあった対策を実行することが必要です。
この連載と紐付くまとめサイト「クマここ」では、電気柵など、クマの出没・被害を防ぐための方法をご紹介しています。
たとえば札幌では、電気柵の無料貸出や購入補助の申し込み受付が始まっていて、電気柵についての講習会も予定されています。
【参考記事:クマを寄せ付けない!無料で試せる対策スタート 「自分も、地域の人も守るために」】
「OSO18」だけが特別ではなかった…
その教訓を意識して、対策を急ぐべきときが来ています。
連載「クマさん、ここまでよ」
暮らしを守る知恵のほか、かわいいクマグッズなど番外編も。連携するまとめサイト「クマここ」では、「クマに出会ったら?」「出会わないためには?」など、専門家監修の基本の知恵や、道内のクマのニュースなどをお伝えしています。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部IKU
※掲載の情報は取材時(2019年~2024年5月)の情報に基づきます。
■「クマ鈴、意味ある?」「クマスプレー、本当に効く?」素朴なギモンを専門家に聞いた