2024.05.22

暮らす

牛襲うヒグマ「OSO18」の死では終わらない…「子牛がクマに襲われ、4頭死んでいる」いま振り返りたい教訓

なぜ長期化したのか

地元は、駆除に向けて「OSO18」の行動の把握に乗り出します。

しかし、監視カメラに姿が映るのは、わずか数回。
しかも、決まって銃を使えない夜の時間帯でした。

夜間や住宅地での発砲は、法律で禁止されているのです。

「OSO18」は、牛の襲撃を重ねるうちに、捕獲の網をすり抜ける術を学習していました。

深夜から明け方にかけて、放牧中の牛だけをねらい、沢などを移動し、足跡をほとんど残さないのです。

初めてのカラー画像は2023年6月末になって撮影された(標茶町提供)

地元のハンターは、2022年8月の取材で「多くのクマは『自分の餌だから』と普通はそこから逃げないでいるけど、OSO18は関係なしに食べては逃げていなくなってしまう。われわれハンターは、ここが餌場だから寄って来るだろうと待ち構えるが寄って来ない。それだけ利口だということ」と話していました。

道東の広い酪農地帯を縦横に移動し、出没3年目の2021年以降は、隣の厚岸町にも被害が広がりました。

厚岸町の町営牧場の電気柵(2023年撮影)

地域の酪農家は、クマの侵入を防ぐ電気柵を設置するなど、対策にあたります。

厚岸町の町営牧場では、2022年、周囲23キロにわたり電気柵を設置。 2023年はさらに5.5キロ増設しました。

牧場長は、「牧場全部を囲うのはそもそも無理。標茶町との境界のほうを重点的に、全放牧地の約4分の1を囲えば、何とかディフェンスできるかな」と話していました。

標茶町は「OSO18」の行方を追うため、町有林の16か所にセンサーカメラやヘアトラップを設置しました。

Sitakke編集部

Sitakke編集部やパートナークリエイターによる独自記事をお届け。日常生活のお役立ち情報から、ホッと一息つきたいときのコラム記事など、北海道の女性の暮らしにそっと寄り添う情報をお届けできたらと思っています。

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