2024.05.14
暮らす10年前の石山地区を先駆けとして、徐々に広がってきた草刈りの市民運動。
札幌市が共催したものを数えると、2023年は5月から8月11日までに
・南区簾舞川の河川敷
・南区南沢の公園
・南区藻南公園の豊平川河川敷
・東区中沼町の石狩川河川敷
・南区真駒内の豊平川河川敷
・南区石山の豊平川河川敷
・南区野々沢川の河川敷
と、 市内の7カ所で実施されました。
寺田さんと佐藤教授は、対策の広がりをうれしく感じているといいます。
佐藤教授は、「クマ問題って『行政なんとかしてよ』っていう他人ごと感があると思うけど、じぶんたちの地域の問題を、じぶんたちでできることやろうと多くの人が思ってくれているということだと思う。具体的なアクションに結びついているのはすごくいい形だと思う」と話します。
札幌市では、南区、西区、中央区と出没地点は幅広くなっていて、さらに対策の広がりが求められています。
佐藤教授は、「1頭が何回も出ているというのもあるけれど、それが1頭だけじゃなくて複数なのがことしの新しい傾向。今後もクマが身近にいる状況は、なかなかすぐには変わらないと思う」と指摘します。
「これからの10年」、市民は何を心がけるべきか聞きました。
「石山地区には、年に1回ここで会うみたいな方もいらっしゃって、『またことしもよろしく』みたいな、年中行事感があります。雪が降る前に冬タイヤに交換しましょうというように、春が来たら花が咲いて、夏が近づいたら草を刈って…そんな “季節の一コマ”にクマ対策がなっていくと、クマに強い地域づくりに結びついていくと思う」
記念すべき10周年。寺田さんは、開始早々から「年に1回だけど、クマのことを考える日があったほうがいい。来年もやっていきたい」と意気込んでいました。
草刈りをして、お茶を飲んで、ビンゴ大会をして…。
参加者たちは、笑顔で「また来年」と声をかけ合っていました。
連載「クマさん、ここまでよ」
暮らしを守る知恵のほか、かわいいクマグッズなど番外編も。連携するまとめサイト「クマここ」では、「クマに出会ったら?」「出会わないためには?」など、専門家監修の基本の知恵や、道内のクマのニュースなどをお伝えしています。
※掲載の内容は取材時(2023年8月6日)の情報に基づきます。
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