今から40〜45年前の1980年代前半。函館にあるカレー専門店といえば宝来町の『小いけ』や函館西武内にあった『シタール』など、片手で数えるほどしかなかった。
その大きな隙間を突いて1980(昭和55)年、本町の路地裏に誕生したのが『カレーとサラダの店 モリタ』というカウンター6席程度の小さな店。
さらにその5年後、この店は函館初の本格インドカレー専門店『ラージモリタ』として生まれ変わる。それまで函館にはなかったタイプのスパイスカレーと、店内装飾やコスチュームや音楽までとことんインドに染まった世界観。おそらくここが函館で初めて「ナン」を提供した店だと言われており、記憶に深く刻まれている人も多いだろう。
そして2012(平成24)年、27年営業した『ラージモリタ』はさらに形態を変えて『ラムズイヤー』として移転リニューアル。今年で12年目の春を迎える。
多彩な味と種類豊富なスタイルのカレーが並ぶラインナップの中、『カレーとサラダの店 モリタ』時代からずっと提供している伝統のメニューが『モリタカレー』だ。
ひき肉たっぷりのキーマルーをライスにのせずに“包み込み”、さらにソースがわりに通常のカレールーを上からたっぷりとかけたセミドライカレー。形は王冠をイメージしており、山の上にトッピングしたオリーブとグリーンピースがトレードマーク。
創業者の守田雄策さん(故人)が「とにかくよそでやってないもの」を求め独立開業する際に開発したこのカレーは昭和・平成・令和をまたぎ、いまに受け継がれて店の看板料理の一つとして健在である。
【LAMB'S EAR】
函館市中島町38-11
0138-76-6612
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