2024.05.01
出かける細心の注意を払った位置調整の終了後は、作家本人が位置を最終チェック。
OKが出ると、いよいよ作品を壁に取り付ける作業ですが…登場したのは高さ30㎝ほどの木箱。
この箱は何に使うのだろう…?
そう思っていると、作品の両サイドに各1人、中心に1人の計3人がそれぞれ位置につき、更に両サイドに木箱を持ったスタッフが各1名。
全部で5人の作業員が、作品を囲むように位置につきました。
「じゃあ、持ち上げるよー!」
声がかかると、絵がひょい!と持ち上がり、その瞬間、木箱を持ったスタッフが作品の下に箱を滑り込ませます。
滑り込んだ木箱に、ゆっくりと作品を乗せました。
実はこの木箱は、作品それぞれの高さを合わせるために、今回の展覧会で新たに作られた特注品です。
「通常は、作品の中心が目線の高さに来るよう、140~145㎝の高さに合わせます。今回は作品自体が大きいので、“作品の底辺の高さが、床から30㎝”になるよう、高さを設定しました」
木箱の高さが30㎝になっていたのは、作品の位置を合わせるため…。
ここにも美しく展示するための工夫が詰まっています。
木箱に乗せた後は、天井部分から吊るされたワイヤーを作品に取り付け、吊り下げる形で展示が完成。
ワイヤー取り付け作業も、ワイヤーの長さが数センチずれるだけで、作品が傾いてしまいます。
慎重な作業に加え、細かな調整を経て、作品の高さ、傾きを整えていったのだとか。
とても大変な作業ですが、スタッフの皆さんは1点当たり約20分程度でどんどん作品を取り付けていきます。