福寿草とエゾリス、北海道にようやく訪れた春を、象徴するような、ステキなお写真ですね。
以前、参議院議員も務めたアイヌ文化研究者の萱野茂さんに、「多くの日本人はサクラの花を愛しますが、アイヌの人たちが愛する花はありますか?」と尋ねたことがあります。
萱野さんは、ちょっと考えてから「チライアパッポ(福寿草)かな…」とおっしゃいました。
「チライ」は、魚の〝イトウ〟、「アパッポ」は〝花〟の意味で、福寿草が咲く頃、ちょうどイトウが群れになって川を上り始め、また本格的な狩猟のシーズンが始まります。
福寿草は、そんな季節の訪れを告げる、アイヌの人たちにとって特別な存在の花、なのだそうです。
また、赤ちゃんのかわいらしさを表現する時に、「福寿草の花から生まれたような」という言い回しも使うことがあることも、教えていただきました。
そんなお話をお聞きしたのはもう、30年以上も前のことになりますが、毎年、福寿草の花を見ると、そのことを懐かしく思い出します。
長い耳が隠れているので、一瞬「何の動物?」と思ってしまいますが、エゾユキウサギです。
冬の間は、カラダの色が真っ白だったのですが、顔のあたりから、夏毛の褐色の毛に変わりつつありますね。
冬毛から夏毛に変わるきっかけは、日照時間と気温がかかわっているのだそうです。
あたたかくなって、日が長くなり始めると、自動的に冬毛が夏毛に変わっていくなんて、なんとも不思議ですね。
そろそろ、エゾユキウサギも〝恋の季節〟を迎えます。
1匹のメスがどんどん逃げるのを、3〜4匹のオスが追いかけます。
その追っかけは、1週間も続くこともあるそうで、ライバルを置き去りにして、最後まで追いかけたオスがメスをゲット。
なので〝マラソン婚〟とも表現されるのだそう。
3月末に、札幌でも10センチを越える雪が降りビックリしましたが、そのころ冬眠から目覚めた、エゾシマリスのお写真なのかもしれませんね。
とても驚いた顔をして、開いた手で口をふさいで、「え〜っ!まだ冬じゃないのよーっ!」と、悲鳴にも似た、驚きの声を上げているかのようです。
そんな姿が、ちょっと申し訳ないのだけど、とってもかわいらしいです。
エゾシマリスも、エゾリスも、春は恋の季節です。
去年は、生まれてしばらくたった子リスが、はじめて巣穴から顔を出し始めたタイミングと、満開の時期が重なりました。
ことしもサクラ&子リスが、見られると良いのですが。
文:インスタグラム「北海道3大かわいい動物」プロジェクト事務局 / ami_papa
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