2024.04.06
暮らすアーティストたちが滞在する部屋を見せて頂きました。
部屋には、海外風の家具やお風呂があります。
ベッドの大きさも、海外仕様で、日本よりもひとまわり大きいサイズになっているんだとか。
洗濯機、掃除機、キッチンも自由に利用することができます。
「好きな時に好きな期間、自由に滞在できる仕組みも、うちならではなんです」と小田井さん。
通常、日本の一般的なAIRでは、運営側の都合に合わせ、募集の時点であらかじめ滞在期間を決めていることが多いんだとか。
たとえば、9月から3ヶ月間滞在限定といった募集をかけて、その条件に合う人だけが滞在できるような仕組みにしているところが多いそう。
でも、小田井さんは、運営側の都合ではなく、可能な限り、アーティストの都合に合わせたAIRの在り方にこだわったそう。
「創作活動だけで生計を立てられているアーティストって、本当に一握りなんです。多くのアーティストは、生活費のためにアルバイトなどを掛け持ちをしています。そうなると、運営側が限定する期間に、アーティスト側が都合を合わせるのって難しいじゃないですか」
「だから、募集期間は定めずに、ホテルみたいに、事前予約さえしておけば、好きな日を選んで自由に滞在できる方が利用しやすいかなと思ったんです。運営側じゃなくて、アーティストの都合を優先したい。そんな思いで運営方針を決めました。なかなか大変なことばかりですけどね(笑)」
週末だけ利用するのもよし、短期間に細かく何度も利用するのもよし。
数か月に渡って、長期間たっぷり利用するのもよし。
アーティストそれぞれのスタイルに合わせ、利用できる場所として、さっぽろ天神山アートスタジオの利用を希望するアーティストは毎年後を絶たないそう。
また、絵画や彫刻のような、私たちが想像するいわゆる“美術”にとどまらず、小説、ダンス、演劇など幅広い芸術分野のアーティストが利用することもあるんだそう。演劇に出演する人たちが、公演期間の滞在費を抑えるために利用するなんてこともあるようです。
「この施設の一階部分は、天神山公園の無料休憩所として、どなたでも利用が可能です。公園のお散歩の途中に寄っていく方が、『ここに飲み物があるといいよね~』とおっしゃっていたので、1階に売店を開いて、コーヒーの提供も始めてみました」と、小田井さん。
意外と、気軽なノリで売店が“爆誕”してる!
アーティストと近隣の方の交流もあったりするんだろうか?
「ありますよ!滞在中のアーティストさんの作業の進捗を、公園のお散歩ついでに、見に来る一般の方などもいらっしゃいます。先日も、イタリア出身の作家さんが外で彫刻を彫っていると、犬のお散歩中の高齢者の方が来て、その後も見に来てくれたんです。作品のお披露目会にまで参加してくださったんです」
「アーティストと近隣の方々が仲良くなって、飲みに行ったりすることもあるんですよ~」
とても嬉しそうな表情でお話をしてくださいました。